キャラクターの「生きている」を一枚に|PBWを中心に活動するモリアオモリさんインタビュー

インタビュー

イラストレーターとして、PBW(プレイ・バイ・ウェブ)で使用されるキャラクターイラストを中心に制作しているモリアオモリさん。

バストアップや顔アイコン、全身図、一枚絵をはじめ、アイテムや背景まで幅広く手がけています。

自身もPBWやTRPGをプレイヤーとして楽しみ、キャラクターのイラストを依頼した経験があるモリアオモリさん。依頼する側として感じた「キャラクターの感情や想い出を絵にしてもらえる喜び」は、現在の制作にもつながっているといいます。

今回は、PBWでのイラスト制作、キャラクターの設定を絵へ落とし込む際の考え方、動きや物語を感じさせる表現、制作環境、依頼時に大切にしていることなどについて伺いました。

モリアオモリさんのプロフィール

活動名: モリアオモリ
活動内容: PBWを中心としたイラスト制作、個人向けイラスト制作
得意な制作: 全身イラスト、少年~青年の男性キャラクター、ファンタジー、和風モチーフ
使用ソフト: CLIP STUDIO PAINT EX
制作環境: Windows PC、Wacom Intuos Pro Small
X:活動を見る
作品ギャラリー:Xfolio
依頼窓口:つなぐ
依頼窓口:SKIMA
リクエスト:Skeb

モリアオモリさんの活動内容やプロフィール、依頼に関する情報をまとめて確認したい方は、プロフィールページをご覧ください。

PBWの世界でキャラクターを形にする

――現在のイラスト活動の中で、特に力を入れている仕事や制作について教えてください。

現在は、PBW(プレイ・バイ・ウェブ)という、ウェブを媒体とした多人数同時参加型ゲームで使用されるイラストの制作を主な活動としております。

運営会社様ごとに用意された個性豊かな世界の中で、自分だけのキャラクターを作り、物語を紡いでいく際に必要となるイラストを制作するお手伝いをさせていただいております。

イラストの種類は、バストアップ、顔アイコン、全身図、一枚絵、アイテム、背景などさまざまで、幅広い制作を手掛けております。

モリアオモリさんが手がけたPBWの全身イラスト 
『√ルートエデン -√EDEN-』(C)風見・正人様/モリアオモリ/トミーウォーカー  
『√ルートエデン -√EDEN-』(C)ヴォルカ・バーニング様/モリアオモリ/トミーウォーカー 
『第六猟兵 -JAEGER SIXTH-』(C)御巫・クレハ様/モリアオモリ/トミーウォーカー

描くことを楽しんできた延長線上に、今の活動がある

――イラストを描き始めたきっかけと、仕事として依頼を受ける活動を始めるまでの経緯を教えてください。

物心ついた頃からお絵描きが好きな子どもで、チラシの裏に落書きをするようなタイプでした。

そこから漫画やアニメ、ゲームなどに触れながら、自然と絵を描くことが続いていき、その延長線上に今の活動があるように感じています。

これまでには同人活動をしたり、WEBゲームでイラストを提供したりもしていました。主に交流を楽しむために絵を描いていた時期が長く、TRPGを遊ぶ際に自分のPC(プレイヤーキャラクター)のイラストを自分で用意したりもしていました。

仕事として有償で依頼を受けるようになったきっかけは、たまたまWEBでPBWのイラストレーター採用試験があることを知ったことでした。

単純に「今の自分の技術がどのくらいなのだろう」と試してみたくて受けたのが始まりです。

それと同時に、自分自身もPBWのプレイヤーになり、自分のキャラクターのイラストを描いていただきました。

完成した作品が届いたときの喜びや、自分のキャラクターの感情や、そのときの想い出を絵として表現してもらえる嬉しさを、実際に依頼する側として身をもって味わったんです。

その経験が、今の活動にもつながっています。

大切なキャラクターの感情や想い、そしてそのキャラクター自身の魅力を表現するお手伝いができればと思いながら、制作しています。

依頼文から伝わる熱量に応えた、思い入れのある全身イラスト

――これまでに制作した中で、自信作や特に思い入れのある作品を教えてください。その作品を選んだ理由や、ご自身で特によくできたと感じる部分もお聞かせください。

PBWで制作した全身イラストです。キャラクターにとって、初めてのイラストとなる作品でした。

あまり描いたことのない武器の要素が多かったのですが、とにかくご依頼の文章から情熱を感じて、「応えねば……」と思い、資料を集めました。

キャラクターの性格から滲み出る表情や目力、装備の質感、エフェクト、重さや足取り、気合。そういったものを意識しながら、その時の自分にできる限りの技量と熱量で描き上げたことを覚えています。

完成後にいただいた感想でも、「イメージそのもの」や「完璧です」などの嬉しいお言葉をいただき、ほっとしたことを覚えています。

モリアオモリさんが手がけたPBWの全身イラスト
『√ルートエデン -√EDEN-』(C)不動院・覚悟様/モリアオモリ/トミーウォーカー

設定や暮らしから、説得力のある立ち姿を考える

――少年・青年・少女など、さまざまなキャラクターを描く際、年齢や性格、立場の違いを表情や体格、立ち姿などで表現するために意識していることを教えてください。

身長や体重などの情報をもとに、年齢や性別だけではなく、どんな武器や防具を扱うのか、どんな職業で、どのような戦い方をするのか、といった情報から体格を考えるようにしています。

現代を舞台にした作品であれば、運動をしている人なのか、普段どのような生活をしているのかなど、その人の暮らしから「この人なら、どのくらいの体格になるだろう」と想像することもあります。

そういった部分から、そのキャラクターらしさを感じられる、説得力のある立ち姿になるよう心がけています。

表情やポーズについては、ご指定がない限り、キャラクターの性格から考えていきます。

キャラクターのキャッチフレーズなどがあると、性格や雰囲気を想像するうえでとても参考になるので、あると嬉しいですね。

モチーフや時代背景からキャラクターデザインを組み立てる

――衣装や装飾、小物まで細かく描き込まれた作品が印象的です。キャラクターの設定や世界観をデザインへ落とし込む際に、大切にしていることはありますか。

まず、絶対に入れてほしいデザイン要素や、逆に絶対に入れてほしくない要素をお聞きしています。

あとは、イメージモチーフについてもお聞きします。

例えば「風」であったり「雪」であったり、そこから連想したものをデザインに取り込むことが多いです。

そのほか、職業や時代背景なども参考にしながら、デザインを考えています。

モリアオモリさんが手がけたキャラクターや衣装デザインの特徴が伝わる作品
『√ルートエデン -√EDEN-』(C)風間・颯斗様/モリアオモリ/トミーウォーカー

全身図ではキャラクターを、ピンナップでは「見せたいもの」を伝える

――キャラクターの全身図と、一場面を描くピンナップでは、構図やポーズ、視線の誘導について、どのように考え方を変えていますか。

全身図の場合は、全身のバランスを見つつ、まず顔周りが分かりやすいこと、そして体型やシルエットが伝わりやすいことを重視しています。

ピンナップの場合は、見せたい・見てほしい部分が一番目立つように、モノクロで表示してコントラストを確認しています。

あとは、キャラクターが持っているものや、服、エフェクトなどを使って視線の流れを作るようにしています。

空間と光、エフェクトで一枚の中に動きを生み出す

――戦闘場面や動きのある作品では、炎や光、エフェクトなどを用いた迫力ある演出も見られます。一枚のイラストから動きや物語を感じてもらうために、意識していることを教えてください。

空間の前後感と動き、それから炎や光などの色合いや空気感でしょうか。

炎の光を受けた部分の色や、明るさの変化なども意識しています。

あとは、ぐっと前に出てくる部分を大きくすることで、こちらに迫ってくるような立体感を意識しています。

個人的には、実際には存在していなさそうな謎のイメージエフェクトを入れて、背景を賑やかにしたりもしています。

モリアオモリさんが手がけた戦闘場面や動きのあるイラスト
『チェインパラドクス -CHAIN PARADOX-』(C)ファギー・ルヴァン様・ディル・ルヴァン様/モリアオモリ/トミーウォーカー

モリアオモリさんが手がけた戦闘場面や動きのあるイラスト
『チェインパラドクス -CHAIN PARADOX-』(C)アルトゥル・ペンドラゴ様/モリアオモリ/トミーウォーカー

発注情報の先にある「そのキャラクターらしさ」を探す

――PBWでは、依頼者が思い描くキャラクターや場面を、限られた資料や文章から形にする機会も多いと思います。依頼内容を読み取り、イメージを膨らませる際に大切にしていることは何でしょうか。

まず、クライアント様からいただいた発注情報を読み込みます。

その他にも情報があれば、見に行くこともありますね。これは決して義務ではなく、あくまで私の場合です。

できるだけ、その方、つまりキャラクターの人となりを知りたい、という気持ちが強いです。

知ることで筆も進みやすくなりますし、良いラフが浮かぶのも早くなったりしますね。

ご指定いただいた部分は最優先で大切に扱い、それ以外のところでも絵に落とし込める要素があれば、どんどん拾っていきます。

例えば、キャラクターの好きな要素やアイテムをちょこっと忍ばせたり。

そういった遊びの部分も大事にしています。

板タブに画用紙を貼る、モリアオモリさんの制作環境

――普段使用しているソフトや機材など、現在の制作環境を差し支えない範囲で教えてください。また、制作を効率よく進めるために活用している機能や工夫があればお聞かせください。

使用ソフトは、CLIP STUDIO PAINT EXです。

PCの構成は、OSがWindows、CPUがIntel Core i7-12700、メモリが16GB RAM、GPUがNVIDIA GeForce RTX 3060(VRAM 12GB)、ストレージがSSD約1.5TBです。

B4印刷サイズくらいまでなら作業できますが、遅延することもありますので、メモリは増設したいですね。

タブレットは、Wacom Intuos Pro Smallの板タブレットを使用しています。

昔から板タブレットで慣れていることと、光の刺激による目への負担や、首・肩の疲労を軽減するため、板タブレットを使用しています。

また、ツルツルした書き味が苦手なので、入力面に画用紙を貼っています。角度をつけるために、傾斜のついた台も使っています。

左手入力デバイスは使用していませんが、キーボードのテンキーにショートカットを割り当てているので、ある程度左手で操作できるようにして、効率化を図っています。

まず「何に使うイラストなのか」を確認する

――依頼の相談を受けてから完成・納品まで、普段はどのような流れで制作を進めていますか。また、依頼者の希望をくみ取るために大切にしていることや、最初に伝えてもらえると助かる情報も教えてください。

個人のご依頼の場合は、まず「何に使うイラストなのか」「いつまでに必要なのか」をお聞きします。

そこから用途に合わせて必要なサイズや仕様などを確認し、納期やご予算を含めてご相談していきます。

ご依頼内容が確定しましたら、ラフを描くまでに数日いただいております。

こちらからラフを数枚ご提示して、修正内容やご希望などをお聞きします。そこからラフを修正して再度提出し、問題がなければ清書へ進みます。

制作する際には、その場面で使うのに有効なイラストになるか、ということを考えています。

イラストごとに伝えたいことは変わると思うので、例えばロゴであれば、読みやすさと一目で雰囲気が伝わるかどうか。

バストアップであれば、表情や顔のディテールにこだわる。

全身であれば、全身を使ってキャラクターらしさをどう表現するか、といったことを考えています。

なので、最初に用途を伝えていただけると助かりますね。

あとは、想いの丈を込めていただけると嬉しいです。

現実的なところでは、納期も大切ですね。

サイズやご予算はご相談いただけますので、まずはお気軽にご相談だけでもいただければと思います。

「キャラクターの生きている」を大切に描いていきたい

――現在受け付けている仕事や、今後特に挑戦したい制作・活動について教えてください。あわせて、モリアオモリさんへの依頼を検討している方や、作品を見てくださっている読者へメッセージをお願いします。

現在は、PBW各社でお仕事をお受けしております。

個人のご依頼では、ウエストアップ、全身立ち絵、一枚絵などを受け付けております。

挑戦したいことはたくさんあって、Blenderをもっと勉強して、背景制作にも活かしたいと思っています。

ファンタジーが好きなので、小説の表紙やTRPG、カード、ゲーム関係のお仕事にも挑戦してみたいですね。

ご依頼をくださっている方、作品を見てくださっている方、本当にありがとうございます。

キャラクターの「生きている」を大切に、そのお時間の一部を切り取るような気持ちで、大切に描かせていただきたいと思います。

これからも精進してまいりますので、よろしくお願いいたします。

モリアオモリさんに依頼する方法

モリアオモリさんは、PBW各社でのイラスト制作に加え、個人からの依頼ではウエストアップ、全身立ち絵、一枚絵などを受け付けています。

依頼の際は、まずイラストの用途と希望納期を伝え、必要なサイズや仕様、予算などを相談しながら制作内容を決めていきます。

作品や依頼に関する最新情報は、以下をご確認ください。

X:活動を見る
作品ギャラリー:Xfolio
依頼窓口:つなぐ
依頼窓口:SKIMA
リクエスト:Skeb

依頼窓口や現在の受付状況については、モリアオモリさんが案内している最新情報をご確認ください。

絵師ナビ編集部より

絵師ナビでは、立ち絵や一枚絵を依頼する際に準備しておきたい情報や、依頼内容の伝え方について解説しています。初めてイラストを依頼する方は、ぜひあわせてご覧ください。

TRPG立ち絵の依頼方法完全ガイド
イラスト依頼で伝えること

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