イラストを依頼するとき、
「修正は何回までお願いしていいの?」
「何度も直してもらうのは失礼?」
「追加料金はいつからかかる?」
と悩む人も多いのではないでしょうか。
イラスト依頼の修正回数に、すべてのイラストレーターや依頼サービスに共通する「○回まで」という基準はありません。
実際には、「ラフ段階は2回まで」「合計3回まで」「回数制限なし」「1回目から別料金」など、依頼先によって条件が異なります。
そのため、依頼前に確認したいのは回数だけではありません。「どの工程で」「何を」「何回まで」「どこから追加料金になるか」をセットで確認することが重要です。
この記事では、修正回数の数え方、ラフ・清書後の修正範囲、追加料金が発生しやすいケース、実際のイラストレーターがどのように確認・修正を進めているかまで解説します。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 修正回数 | 無料で何回まで含まれるか |
| 1回の数え方 | 複数箇所をまとめて伝えた場合も1回なのか |
| 修正できる工程 | ラフ・線画・着色・完成後のどこまで可能か |
| 修正できる内容 | 構図・ポーズ・表情・衣装・色味など |
| 追加料金 | 何回目、どの変更から別料金になるか |
| 納期への影響 | 修正によって納品予定日が延びる可能性があるか |
修正料金を含め、依頼全体にかかる費用を知りたい方は「イラスト依頼の相場はいくら?用途別の料金目安と費用が変わる理由」もあわせてご覧ください。
イラスト依頼の修正回数は何回まで?
イラスト依頼の修正回数は、イラストレーターごとに異なります。
絵師ナビ編集部では2026年8月、SKIMA・ココナラ・つなぐで公開されているイラスト制作商品100件の修正条件を確認しました。
今回確認した100件では、無料修正を「2回まで」とする商品が57件で最も多く、「3回まで」が31件、「1回まで」が8件、無制限が3件、無料修正なしが1件でした。
| 公開されていた無料修正条件 | 件数 |
|---|---|
| 2回 | 57件 |
| 3回 | 31件 |
| 1回 | 8件 |
| 無制限 | 3件 |
| 無料修正なし | 1件 |
| 合計 | 100件 |
今回の調査では、無料修正を2〜3回に設定している商品が88件と多く見られました。
ただし、これは市場全体の統一ルールや平均を示すものではありません。
同じ「2回まで」でも、ラフ段階だけを対象にしている場合や、ラフと清書を合わせた合計回数の場合など、条件は依頼先によって異なります。
また、無料回数が残っていても、構図の作り直しや衣装変更などの大幅な変更は追加料金になる場合があります。
そのため、「何回まで無料か」だけで判断せず、どの工程で・何を・何回まで修正でき、どこから追加料金になるのかまで確認することが重要です。
※2026年8月に絵師ナビ編集部が、SKIMA・ココナラ・つなぐの公開商品ページから修正条件を確認できた100件を集計した参考調査です。内訳は、つなぐ50件、ココナラ30件、SKIMA20件です。無作為抽出ではなく、市場全体の比率を示すものではありません。
回数だけでなく、修正できる工程と内容を確認する
重要なのは、修正回数の数字だけを「一般的な正解」として使うのではなく、自分が依頼する相手の条件を確認することです。
見積もりや正式依頼の前に、無料回数だけでなく、1回の数え方、修正できる工程、大幅変更の扱い、規定回数を超えた場合の料金まで確認しておきましょう。
修正回数はどのように数える?
修正回数をめぐるトラブルで特に注意したいのが、1回の数え方です。
たとえば、依頼者が次の3点をまとめて伝えたとします。
- 髪を少し長くしてほしい
- 目の色を青に変えてほしい
- 右手の位置を下げてほしい
これらを一度の連絡で伝えた場合、依頼先によっては「修正1回」と扱われることがあります。
一方、次のように小分けにして連絡すると、3回と数えられる可能性があります。
- 髪を長くしてもらう
- 修正版を見てから目の色を変えてもらう
- さらに右手の位置を直してもらう
ただし、数え方もイラストレーターによって異なります。
「修正箇所の数」で数えるのか、「修正内容をまとめて送った回数」で数えるのか、契約前に確認しておくと安心です。
修正をお願いしやすいのはラフ段階
イラストの修正は、基本的にラフ段階でまとめて伝えることが大切です。
ラフとは、完成前に構図・ポーズ・表情・配置などを確認するための下描きを指します。
ラフ段階であれば、線画や着色が完成した後に比べて修正作業の負担が小さくなります。
ラフで確認しておきたい主な項目は、次のとおりです。
- キャラクターのポーズ
- 顔の向き
- 表情
- 髪型
- 衣装
- 構図
- 背景の配置
- 小物の位置
- 全体の雰囲気
この段階で方向性を固めておけば、清書後の大幅な修正を防げます。
完成後の修正は追加料金になりやすい
ラフの承認後や完成後に大きな変更を依頼すると、追加料金がかかる可能性が高くなります。
たとえば、次のような変更です。
- キャラクターのポーズを変える
- 構図を最初から作り直す
- 衣装を別のデザインにする
- キャラクターを追加する
- 背景を全面的に描き直す
- 昼の場面を夜の場面に変える
- 縦長のイラストを横長に変更する
これらは一部分を微調整するのではなく、すでに描いた部分を大幅に作り直す作業です。
イラストレーターによっては、修正回数が残っていても、大幅な変更は別料金になることがあります。
「2回まで無料」と書かれていても、どのような修正でも無料で対応してもらえるとは限りません。
追加料金が発生しやすいケース
イラスト依頼で追加料金が発生しやすいのは、主に次のケースです。
無料の修正回数を超えた
「2回まで無料」と決められている場合、3回目以降の修正には追加料金が発生する可能性があります。
追加料金の金額は、1回ごとの定額制や作業時間に応じた見積もりなど、イラストレーターによって異なります。
ラフ承認後に大幅な変更を依頼した
一度「この内容で問題ありません」と承認したあとに、構図やポーズを変更すると、描き直しが必要になります。
無料回数が残っていても、別料金になる場合があるため注意しましょう。
最初に伝えていなかった要素を追加した
当初の依頼内容になかった人物・小物・背景などを追加する場合は、修正ではなく「追加制作」として扱われる可能性があります。
たとえば、人物1人の依頼だったにもかかわらず、途中からペットや武器を追加してもらうケースです。
依頼者側の都合で仕様を変更した
使用媒体や画像サイズ、衣装、キャラクター設定などを途中で変更した場合も、追加料金が発生することがあります。
後から変更する可能性がある事項は、依頼前にできるだけ整理しておきましょう。
イラストレーター側のミスも修正回数に含まれる?
依頼時に伝えた内容と明らかに異なる場合は、通常の修正回数とは別に対応してもらえることがあります。
たとえば、次のようなケースです。
- 指定した髪の色と違う
- 左右を間違えている
- 指定した小物が描かれていない
- 合意したラフと完成品が大きく異なる
- 指示書に書いた内容が反映されていない
こうした場合は、依頼者による希望変更ではなく、当初の依頼内容に合わせるための訂正と考えられます。
ただし、無料対応になるかどうかは契約内容によります。
責めるような伝え方は避け、最初に送った資料やメッセージを示しながら確認しましょう。
修正回数を減らす5つのポイント
修正回数を減らすには、制作が始まってから細かく指示するのではなく、依頼前の準備を充実させることが効果的です。
1.使用目的を明確にする
まずは、イラストを何に使用するのか伝えます。
- SNSアイコン
- YouTubeのサムネイル
- 配信用の立ち絵
- Webサイト
- 広告
- グッズ
- プレゼント
使用目的によって、適切な構図・サイズ・解像度・ファイル形式が変わります。
2.希望を具体的に伝える
「かわいい感じ」「かっこいい雰囲気」だけでは、人によって受け取り方が異なります。
次のように、できるだけ具体的に伝えましょう。
- 明るく元気な印象
- 淡い色を使った柔らかい雰囲気
- 暗い背景で緊張感を出したい
- 子ども向けで親しみやすい印象
- 高級感のある落ち着いた配色
3.参考画像を用意する
イメージに近い参考画像があれば、言葉だけで説明するよりも認識を合わせやすくなります。
ただし、別のイラストレーターの作品をそのまま再現するよう求めるのは避けましょう。
参考画像は、ポーズ・配色・服装・雰囲気など、どの部分を参考にしてほしいのか明記することが大切です。
4.修正内容をまとめて送る
修正箇所を見つけるたびに送るのではなく、全体を確認してから一度にまとめます。
箇条書きや画像への書き込みを使うと、修正箇所が伝わりやすくなります。
5.ラフを丁寧に確認する
ラフ確認時には、単に「大丈夫です」と返すのではなく、完成後に変更しにくい部分を重点的に確認しましょう。
特に構図・ポーズ・表情・衣装・髪型は、清書前に確定させることが重要です。
実際のイラストレーターはどのように修正・確認している?
修正の進め方はイラストレーターによって異なります。ここでは、絵師ナビのインタビューから実際の制作例を見てみましょう。
イラストレーターのゐみさんは、依頼内容の確認と見積もり、支払いを経てラフを提出し、必要な修正をラフ段階で行ったあと、了承を得て清書へ進む流れを採用しています。
また、100件以上の個人依頼を経験しているゆめうゆいさんは、制作開始日やラフ・清書の提出日、修正回数、納品予定日をあらかじめ決めています。ラフを丁寧に作り、認識の食い違いを確認するようになったことで、確認不足による修正が以前より減ったと話しています。
これらは、それぞれのイラストレーターの制作例であり、すべての依頼に共通するルールではありません。ただ、完成に近づいてから大きな認識違いに気づくより、ラフなど早い工程で方向性を確認することが重要だと分かります。
依頼前に確認したい修正条件
イラストを依頼する前に、最低限、次の項目を確認しましょう。
- 無料修正は何回までか
- 修正1回をどのように数えるか
- 修正できる工程はどこまでか
- ラフ承認後も修正できるか
- 大幅な変更は別料金か
- 規定回数を超えた場合の料金
- イラストレーター側のミスは回数に含まれるか
- 修正によって納期が延びる可能性があるか
修正作業が増えると、料金だけでなく納期にも影響する可能性があります。
急ぎの依頼では、修正可能な回数とあわせて、最終確認の期限も相談しておきましょう。
修正回数や追加料金は、正式依頼後ではなく見積もりの段階で確認しておくと安心です。料金・納期・修正条件をまとめて確認したい場合は、「イラスト依頼の見積もり方法」も参考にしてください。
修正回数を確認する例文
依頼前に修正条件を確認するときは、次のように伝えられます。
お見積もりありがとうございます。
依頼前に、修正対応について確認させてください。
基本料金には、修正が何回まで含まれていますでしょうか。
また、ラフ承認後の修正や、規定回数を超えた場合の追加料金についても教えていただけますと幸いです。
料金表に修正条件が書かれている場合は、読んだうえで認識が合っているか確認します。
料金表では、ラフ段階の修正は2回まで無料と拝見しました。
複数箇所の変更を一度にまとめてお伝えした場合は、修正1回として数える認識で合っていますでしょうか。
修正を依頼するときの例文
修正をお願いするときは、感覚的な表現だけでなく、変更箇所と希望内容を具体的に伝えます。
修正回数だけでなく、用途・予算・納期などを含めた最初の連絡文を作りたい方は「イラスト依頼のDMテンプレート」もご覧ください。
ラフをご共有いただき、ありがとうございます。
全体の雰囲気はイメージどおりです。
恐れ入りますが、以下の3点について修正をお願いできますでしょうか。1.表情を、現在より少し明るい笑顔にする
2.右手を腰ではなく、顔の横に上げる
3.ジャケットの色を黒から紺色に変更する参考になる画像も添付いたします。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
気に入っている部分も最初に伝えると、「全体を作り直してほしい」のではなく、指定箇所のみを調整してほしいことが伝わりやすくなります。
何度も修正を頼むのは失礼?
契約で認められた範囲内で、必要な修正をお願いすること自体は失礼ではありません。
ただし、次のような頼み方は相手の負担を増やします。
- 修正内容を小分けにして何度も送る
- 一度承認した内容を繰り返し変更する
- 最初の依頼内容になかったものを無料で追加してもらう
- 「なんとなく違う」だけで具体的な希望を伝えない
- 追加料金が必要な作業を無料で求める
- 完成後に構図を全面的に変えてもらう
大切なのは、遠慮して修正を諦めることではなく、契約内容を守りながら、必要な変更をわかりやすく伝えることです。
修正回数無制限なら何度頼んでもよい?
「修正回数無制限」と書かれていても、依頼内容そのものを何度でも変更できるとは限りません。
無制限の対象が、ラフ段階の微調整に限られている場合もあります。
たとえば、表情や色の調整は対象でも、構図の作り直しやキャラクターの追加は別料金になる可能性があります。
「無制限」という言葉だけで判断せず、対象となる工程と修正範囲を確認しましょう。
見積もりの相談からラフ確認、納品までの進め方を知りたい方は「イラスト依頼の方法|初めて絵師に頼む流れ・準備・注意点」も参考にしてください。
まとめ|修正回数と追加料金は依頼前に確認しよう
今回確認した公開商品100件では、無料修正2回が57件、3回が31件と、2〜3回に設定された商品が多く見られました。
ただし、イラスト依頼の修正回数に共通の決まりはありません。
同じ「2回まで」でも、ラフのみが対象の場合や、全工程を合わせた回数の場合があります。
修正回数だけでなく、次の点を依頼前に確認することが大切です。
-
- 無料で修正できる回数
- 修正回数の数え方
- 修正できる工程と範囲
- ラフ承認後の変更条件
- 規定回数を超えた場合の追加料金
また、構図やポーズなどの大きな変更は、できるだけラフ段階で伝えましょう。
依頼内容を具体的にまとめ、修正点を一度に伝えることで、イラストレーターの負担を抑えながら、希望に近い作品を制作してもらいやすくなります。


