絵師の料金表を見つけても、「結局いくらかかるのかわからない」と感じたことはありませんか。基本料金だけを見て判断すると、見積もりの段階で追加料金が必要だとわかり、想定より高く感じることがあります。
結論から言うと、料金表を見るときは基本料金だけでなく、追加料金の項目、利用条件、納品内容まであわせて確認することが大切です。料金表はあくまで見積もりの目安であり、依頼内容によって最終的な金額は変わる場合があります。
この記事では、絵師の料金表の読み方と、依頼前に確認しておきたいチェックポイントを、初心者にもわかりやすく解説します。
絵師の料金表は何を見るもの?
料金表は、絵師がどのような内容を、どの程度の金額で受け付けているかを示すものです。
主に、次のような内容が書かれています。
- 依頼できるイラストの種類
- 基本料金
- 追加料金
- 納品内容
- 利用条件
- 依頼の流れ
- 支払い条件
ただし、料金表だけではすべてを判断できないこともあります。細かな仕様や納期、著作権の扱いなどは料金表に書ききれず、個別のやり取りで確認する場合もあります。
一般的な料金の目安を知りたい方は、「イラスト依頼の料金相場」もあわせて参考にしてください。
料金表を見る前に依頼内容を整理しよう
料金表を正しく読むには、まず自分の依頼内容を整理しておくことが大切です。
次の項目をメモしておくと、見積もりを依頼するときもスムーズです。
- 使用目的
- イラストの種類
- 人数
- 構図
- 背景の有無
- 表情差分
- 衣装差分
- 希望納期
- 商用利用の有無
- 実績公開の可否
- 必要な納品形式
- おおよその予算
依頼内容が具体的であるほど、絵師側も見積もりを出しやすくなります。
絵師の料金表で最初に見る7つの項目
料金表を見つけたら、まず次の7項目を確認しましょう。
1.イラストの種類
料金表では、依頼内容が次のような区分に分かれていることがあります。
- SNSアイコン
- バストアップ
- 腰上
- 全身立ち絵
- 一枚絵
- SDキャラ
- キャラクターデザイン
- 動画用イラスト
- グッズ用イラスト
用途ではなく、描写範囲によって料金が分かれている場合もあります。
たとえば、SNSアイコンとして使用する場合でも、顔だけではなく上半身まで描いてもらうなら、バストアップ料金になることがあります。
自分の依頼がどの区分に当てはまるか確認しましょう。
一枚絵では、人物数や描写範囲だけでなく、背景や構図、小物、商用利用などが料金に影響する場合があります。一枚絵特有の料金の考え方は「一枚絵を依頼する方法|料金相場・頼み方・絵師の選び方」で詳しく解説しています。
キャラクターデザインでは、デザイン料だけなのか、全身立ち絵や三面図まで含まれているのかによって料金の見え方が変わります。キャラクターデザイン特有の料金項目は「キャラクターデザインを依頼する方法|料金相場・頼み方・絵師の選び方」で詳しく解説しています。
2.基本料金
基本料金を見るときは、金額だけでなく、その中に何が含まれているかを確認してください。
主な確認項目は次のとおりです。
- 人物が何人含まれるか
- 背景が含まれるか
- 表情差分が含まれるか
- 無料修正は何回までか
- 納品サイズ
- 商用利用が含まれるか
- 税が含まれるか
「基本料金」という言葉だけでは、含まれる範囲まではわかりません。
同じ金額でも、背景や差分、商用利用などが含まれているかによって、実際の条件は大きく異なります。
3.「〇円〜」の意味
料金表にある「〇円〜」は、最低価格や基準価格を示している場合があります。
たとえば、次のような条件を前提とした金額である可能性があります。
- 人物1人
- 背景なし
- 簡単な構図
- 差分なし
- 個人利用
- 通常納期
人物や背景を追加したり、衣装や小物が複雑になったりすると、料金が上がることがあります。
最終的な金額は、依頼内容を伝えたうえで見積もりによって決まる場合があります。
「〜」という表記があること自体が、不透明な料金設定を意味するわけではありません。
4.追加料金
基本料金に含まれない内容には、追加料金が設定されていることがあります。
代表的な項目は次のとおりです。
- 人物追加
- 背景
- 小物
- 表情差分
- 衣装差分
- ポーズ差分
- 複雑な衣装
- 複雑な装飾
- 商用利用
- 実績非公開
- 短納期
- 修正追加
- PSDデータ
- レイヤー分け
- 著作権譲渡
追加料金があること自体は、不自然なことではありません。
作業量や利用範囲が増えれば、料金が変わる場合があります。
5.納品内容
料金表では、最終的に何を納品してもらえるかも確認しましょう。
- 画像サイズ
- 解像度
- ファイル形式
- 背景透過の有無
- 差分の数
- レイヤー分けの有無
- 納品点数
同じイラストでも、PNG1点のみの納品と、PSDや複数の差分を含む納品では条件が異なります。
6.利用条件
完成したイラストを、どの範囲で利用できるかも重要です。
- 個人利用
- 商用利用
- 動画利用
- グッズ化
- 二次利用
- 加工
- トリミング
- クレジット表記
- 実績公開
利用条件は、絵師ごとに異なります。
依頼時に伝えていなかった用途へ後から使用したい場合は、追加の許可や料金が必要になることもあります。
7.支払い条件
料金だけでなく、支払いの時期や方法も確認しましょう。
- 前払い
- 一部前払い
- 納品後払い
- 支払い方法
- 振込手数料
- サービス手数料
- キャンセル料
- 税込か税別か
支払い方法や時期は、絵師や利用するサービスによって異なります。
料金表の表示額だけでなく、手数料や税を含めた最終的な支払額を確認してください。
料金表の追加料金でよく見る項目
追加料金の項目には、それぞれ理由があります。内容を理解したうえで確認しましょう。
人物追加料金
基本料金に含まれる人物が1人だけの場合、2人目以降に追加料金がかかることがあります。
複数人のイラストを依頼する場合は、次の点を確認してください。
- 基本料金に何人含まれるか
- 追加1人あたりの料金
- 複数人用の料金プランがあるか
- 人物同士の接触や複雑な構図で料金が変わるか
背景料金
背景は、描き込みの程度によって料金が変わることがあります。
たとえば、次のように分かれている場合があります。
- 単色
- 簡単な模様
- 簡易背景
- 描き込みの多い背景
「背景込み」と書かれていても、どの程度まで含まれるかは絵師によって異なります。
差分料金
差分とは、基本となるイラストの一部を変更した画像です。
主な差分には次のようなものがあります。
- 表情差分
- 衣装差分
- ポーズ差分
- 小物差分
- 背景差分
「差分1点」が、表情1種類を意味するのか、完成画像1枚を意味するのかは、料金表によって異なります。
何がどこまで変わるのか確認しましょう。
商用利用料金
商用利用は、収益や事業に関係する目的でイラストを使用することを指す場合があります。
たとえば、次のような用途です。
- 収益が発生する動画
- 広告
- 商品やグッズ
- 事業や店舗での使用
- 有料コンテンツ
商用利用に該当する範囲は、絵師や依頼条件によって異なります。
自分の使用目的が商用利用に当たるか迷う場合は、依頼先へ具体的な用途を伝えて確認しましょう。
実績非公開料金
依頼した作品を絵師のSNSやポートフォリオで公開しない条件には、追加料金が設定されている場合があります。
次のようなケースも含まれます。
- 完全に非公開にする
- 公開時期を遅らせる
- 商品や企画の公開日まで掲載を控えてもらう
- 未公開案件として扱う
絵師にとって、制作実績の公開は活動や営業の一部になることがあります。
そのため、非公開を希望すると追加料金が発生する場合があります。
短納期料金
通常より短い期間で制作を依頼すると、追加料金が発生することがあります。
短期間で作業時間を確保するために、ほかの予定を調整する必要があることなどが理由です。
ただし、短納期料金を支払えば必ず対応してもらえるわけではありません。
使用予定日が決まっている場合は、早めに相談しましょう。
修正追加料金
次のような場合には、修正料金が追加されることがあります。
- 無料修正の回数を超えた
- ラフ承認後に構図を変更した
- 完成後に大きな修正を依頼した
- 最初に伝えていなかった内容を追加した
修正回数の目安については、「イラスト依頼の修正回数は何回まで?無料の目安と追加料金の注意点」でも詳しく解説しています。
著作権譲渡料金
イラストを納品してもらっても、著作権が自動的に依頼者へ移るとは限りません。
利用許諾と著作権譲渡は異なります。
利用許諾は、決められた用途や範囲で作品を使用するための許可です。一方、著作権譲渡は、著作権そのものを譲り受ける契約を指します。
依頼内容によっては、必要な用途の利用許諾を得るだけで足りる場合もあります。
著作権譲渡を希望する場合は、必要性を検討したうえで、譲渡の範囲や料金を依頼前に確認しましょう。
料金表の価格と見積もり金額が違うのはなぜ?
料金表は、標準的な条件を前提とした目安として掲載されている場合があります。
次のような条件が加わると、見積もり金額が変わることがあります。
- 人数が増えた
- 背景が必要になった
- 衣装や小物が複雑になった
- 差分が必要になった
- 商用利用を希望した
- 実績非公開を希望した
- 短納期を希望した
- 特殊な納品形式が必要になった
- 修正範囲が増えた
料金表に記載された条件と実際の依頼内容が異なる場合、見積もり金額が変わること自体は珍しくありません。
ただし、正式発注後に新たな料金が発生する場合は、理由と金額を確認し、双方が合意してから進めることが大切です。
正式に発注する前に、見積もりの総額と条件を文章で確認しておきましょう。
複数の絵師の料金表を比較するときのポイント
複数の絵師を比較する際は、表示されている金額だけを見比べないようにしましょう。
同じ条件にそろえて比較することが重要です。
基本料金に含まれる内容をそろえる
基本料金に含まれる範囲は、絵師ごとに異なります。
たとえば、一方は背景込みで、もう一方は背景が別料金という場合があります。
商用利用や修正回数についても、基本料金に含まれている場合と、追加料金になる場合があります。
納品内容をそろえる
次の条件をそろえて比較しましょう。
- 画像サイズ
- ファイル形式
- 差分数
- 修正回数
- 背景の有無
- 人数
- レイヤー分け
利用条件をそろえる
利用条件も含めて比較してください。
- 商用利用
- グッズ化
- 実績非公開
- クレジット表記
- 二次利用
最終見積もりで比較する
料金表に書かれた最低価格ではなく、自分の依頼内容に対する見積もり総額を確認しましょう。
表示価格が低くても、必要な追加料金を含めると総額が変わる場合があります。
料金以外の条件も見る
料金だけでなく、次の項目も重要です。
- 絵柄
- 得意分野
- 納期
- 修正条件
- 依頼方法
- 利用条件
料金以外の比較ポイントについては、「絵師の選び方|依頼で失敗しない比較ポイントを初心者向けに解説」でも詳しく紹介しています。
料金表がない絵師には依頼できない?
料金表を公開していない絵師でも、依頼できないとは限りません。
料金表がない理由として、次のようなケースがあります。
- 見積もり制を採用している
- 内容によって料金が大きく変わる
- 企業案件を中心に個別見積もりを行っている
- 受付時期に合わせて条件を案内している
- 依頼フォームで詳細を確認している
まずは、プロフィールや公式サイトで受付状況と問い合わせ方法を確認しましょう。
現在依頼を受け付けている絵師の探し方は、「依頼受付中の絵師はどう探す?依頼できるイラストレーターの見つけ方」でも解説しています。
料金を問い合わせる例文
料金表がない場合や、依頼内容に対する見積もりを確認したい場合は、必要な情報をまとめて問い合わせましょう。
正式な依頼文の作り方については、「絵師に依頼するDMの送り方」も参考にしてください。
はじめまして。
イラストの依頼について、お見積もりをお願いしたくご連絡いたしました。・使用目的:〇〇
・希望内容:〇〇
・人数:〇人
・背景:〇〇
・希望納期:〇月〇日頃
・商用利用:あり/なし
・実績公開:可能/不可
・予算:〇〇円前後上記の内容で依頼可能でしょうか。
可能でしたら、概算のお見積もりと着手可能時期をご案内いただけますと幸いです。お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
料金表を見るときに注意したい表現
料金表に書かれている言葉だけでは、条件の詳細がわからない場合があります。
| 表現 | 確認しておきたいポイント |
|---|---|
| 〇円〜 | 最低価格を示している可能性がある |
| 要相談 | 内容を確認したうえで個別に判断する場合がある |
| 商用利用は別途 | 金額や計算方法を確認する |
| 修正〇回まで | どの工程で回数を数えるか確認する |
| 簡易背景込み | 簡易背景に含まれる範囲を確認する |
| 差分〇点 | 差分の種類と変更内容を確認する |
| 手数料別 | 決済や振込など、何の手数料か確認する |
| 税別 | 最終的な税込金額を確認する |
絵師の料金表を確認するチェックリスト
料金表を見たら、次の項目を確認しましょう。
-
依頼したいイラストの区分を確認した
-
描写範囲を確認した
-
基本料金に含まれる人数を確認した
-
背景料金を確認した
-
差分料金を確認した
-
商用利用料金を確認した
-
実績非公開料金を確認した
-
短納期料金を確認した
-
修正回数と追加料金を確認した
-
納品形式を確認した
-
画像サイズと解像度を確認した
-
税別か税込か確認した
-
手数料の有無を確認した
-
支払い時期を確認した
-
キャンセル条件を確認した
-
見積もりの総額を確認した
-
料金と利用条件を文章で残した
絵師の料金表に関するよくある質問
料金表の金額だけで依頼できますか?
料金表の金額は目安であり、そのまま最終金額になるとは限りません。
依頼内容によって見積もり金額が変わる場合があるため、正式な料金は見積もりで確認しましょう。
「〇円〜」はいくらになるかわからないという意味ですか?
依頼内容によって金額が変動するため、最低価格や基準となる価格を示している場合があります。
人物数、背景、差分、利用目的などを伝えたうえで、具体的な金額を確認しましょう。
商用利用料金は必ずかかりますか?
絵師や依頼内容によって異なります。
基本料金に含まれている場合もあれば、追加料金になる場合もあります。料金表や利用規約を確認してください。
料金表に著作権譲渡の記載がない場合はどうすればよいですか?
まずは、著作権の譲渡が本当に必要かを検討しましょう。
利用目的に必要な範囲の利用許諾で足りる場合もあります。
譲渡が必要な場合は、正式発注前に範囲や料金を相談してください。
追加料金が多い絵師は避けたほうがよいですか?
追加料金の項目数だけで判断することはできません。
基本料金に含まれる内容や、最終的な見積もり総額を比較することが大切です。
細かく項目が分かれている料金表は、必要な内容だけを選べる仕組みになっている場合もあります。
見積もり後に依頼を断ってもよいですか?
正式な発注や契約が成立する前であれば、辞退できる場合があります。
ただし、見積もりの承認や制作開始への合意などによって、すでに契約が成立している可能性もあります。
依頼先の規約や、それまでのやり取りを確認してください。
辞退する場合は、相手の時間を使っていることに配慮し、早めに丁寧な連絡をしましょう。
まとめ|基本料金ではなく見積もり総額と条件を確認しよう
絵師の料金表を見るときは、まず自分の依頼内容を整理し、基本料金に含まれる範囲を確認することが大切です。
「〇円〜」という表記は最低価格を示している場合があり、追加料金や利用条件によって最終的な金額が変わります。
次の項目も忘れずに確認しましょう。
- 人数と描写範囲
- 背景と差分
- 商用利用
- 実績非公開
- 修正回数
- 納品形式
- 税込か税別か
- 手数料
- 支払い条件
複数の絵師を比較するときは、同じ依頼条件をそろえたうえで、見積もり総額を比べることが重要です。
正式に依頼する前には、料金と利用条件を文章で確認し、双方の認識をそろえておきましょう。
料金や依頼条件を確認して絵師を探したい方へ
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気になるイラストレーターが見つかったら、本人の料金表や依頼規約、公式サイトから最新の条件をご確認ください。
絵柄だけでなく、料金や利用条件も含めて、自分の依頼内容に合う絵師を探す際の参考にしてください。


