少女漫画を思わせるタッチで描く|Live2D用立ち絵を手がけるmucuさんインタビュー

インタビュー

イラストレーターとして、VTuber・ライバー向けのLive2D用パーツ分け立ち絵やキャラクターデザインを中心に活動するmucuさん。

どこか少女漫画を思わせるタッチを自身の強みとし、トレンドへ無理に寄せるのではなく、自分の世界観やテイストを大切にしながら作品を制作しています。

Live2D用の立ち絵では、配信画面での見映えや実際に動いたときの美しさまで考えながらパーツ構造やシルエットを設計。キャラクターデザインでは、依頼者の性格や設定、モチーフを読み取り、「本人が心から気に入って活動できる姿」に仕上げることを大切にしています。

今回は、mucuさんらしい絵柄への考え方、Live2D用立ち絵を制作する際の工夫、キャラクターデザインで大切にしていること、依頼者との制作の進め方などについて伺いました。

mucuさんのプロフィール

活動名: mucu
活動内容: Live2D用パーツ分け立ち絵、キャラクター・衣装デザイン、イラスト制作
得意な制作: VTuber・ライバー向け立ち絵、キャラクターデザイン、Live2D用パーツ分け
使用ソフト: CLIP STUDIO PAINT EX
制作環境: Mac、Wacom Cintiq 16、サブモニター、左手デバイス
X:活動を見る
リンク集:lit.link
料金表:みつもっと

mucuさんの活動内容やプロフィール、依頼に関する情報をまとめて確認したい方は、プロフィールページをご覧ください。

Live2D用のパーツ分け立ち絵制作に力を入れる

――現在特に力を入れている仕事や制作について教えてください。

Live2D用のパーツ分け立ち絵制作に最も力を入れています。

有難いことに担当させていただくVTuber様も増えており、日々の制作を通してキャラクターの表現力やモデリングを見越したパーツ分けの技術など、自分自身のスキルアップを実感しています。

mucuさんが手がけたLive2D用のパーツ分け立ち絵 VTuber:紫月ゆらは

mucuさんが手がけたLive2D用のパーツ分け立ち絵 VTuber:羽星まりあ

関連リンク:
紫月ゆらはさん(Twitch)
羽星まりあさん(YouTube)

VTuberのファンアートをきっかけに依頼制作へ

――イラストを描き始めたきっかけと、現在のように依頼を受けて活動するようになった経緯を教えてください。

幼少期から絵を描くことが好きで、色々な漫画作品の二次創作を楽しんでいました。

その後、VTuber文化の広がりに合わせてファンアートを描くようになり、それをきっかけにご依頼をいただくようになりました。

また、もともとオリジナルのキャラクターや衣装デザインを考えることも大好きだったので、現在の活動は自分にとても合っていると感じています。

mucuさんが手がけたVTuberのファンアート

mucuさんが手がけたVTuberのファンアート

少女漫画を思わせるタッチを「自分らしさ」として磨き続ける

――mucuさんご自身では、現在の作風や絵柄の特徴をどのように捉えていますか。また、自分らしい表現を作るうえで大切にしていることを教えてください。

どこか少女漫画を思わせるタッチが自身の強みだと感じています。

むやみにトレンドへ寄せるのではなく、自分の世界観やテイストを大切に磨き続けることこそが「自分らしさ」であり、個性になると信じています。

この絵柄だからこそ好きだと言ってくださる方やクライアント様の期待に応えられるよう、軸をぶらさずに活動していくことを意識しています。

mucuさんが手がけた一枚絵

mucuさんが手がけた一枚絵

mucuさんが手がけた一枚絵

現在の技術のベースになった、初めてのVTuber立ち絵

――これまでに制作した中で、自信作や特に思い入れのある作品を教えてください。その作品を選んだ理由や、制作を通じて得たものもお聞かせください。

初めてVTuberの制作を担当させていただいた、颯砂せな様の立ち絵です。

クライアント様のご要望を形にしていくデザイン作業の中で、「気に入っていただけるだろうか」と終始ドキドキしていた思い入れ深い作品です。

当時はLive2Dの構造や必要なパーツ分けについて調べて勉強しながら制作しました。

試行錯誤を重ねて作り上げたこの作品の経験が、今の技術のベースになっています。

mucuさんが手がけたLive2D用のパーツ分け立ち絵 VTuber:颯砂せな

関連リンク:颯砂せなさんのYouTube

立ち絵・一枚絵・ミニキャラで「見せ方」を切り替える

――立ち絵やキャラクターデザイン、一枚絵、ミニキャラなど、用途によって制作時に意識していることはどのように変わりますか。

用途ごとに「画面の中でキャラクターがどう見せられるか」を整理し、意識を切り替えるようにしています。

立ち絵やキャラクターデザインでは、配信画面での見映えやLive2Dで動いたときの美しさを第一に考え、細部まで破綻のないパーツ構造やシルエットの分かりやすさを重視しています。

一枚絵では、イラスト全体の物語性や世界観を見せることを意識しています。

ミニキャラの場合は、情報をあえて絞り込み、小さなサイズでもパッと目を引く愛らしさや、キャラクターの特徴をギュッと凝縮することを大切にしています。

mucuさんが手がけたミニキャライラスト

mucuさんが手がけたミニキャライラスト

性格や設定、モチーフから「その子らしさ」をデザインする

――キャラクターや衣装をデザインする際、依頼者からいただいた設定やモチーフを、どのように見た目へ落とし込んでいますか。

キャラクターの「性格や背景(設定)」と「モチーフ」の2つを軸に、配色やシルエットへ落とし込むことを大切にしています。

まず、クライアント様からいただいた設定や内面、例えば明るい、ダウナーなどといった部分から「その子らしさ」を読み取ります。

その上で、モチーフやテーマの要素を衣装の装飾や小物にさりげなく取り入れ、クライアント様に「この設定が活かされている!」と発見を楽しんでもらえるデザインを意識しています。

本人が誇りを持って活動できる「お気に入りの姿」に

――VTuber・ライバー向けのキャラクターデザインで、特に大切にしていることを教えてください。

一番は、クライアント様ご自身が心から気に入って、誇りを持って活動できるデザインにすることです。

VTuberやライバー様にとって、キャラクターは毎日ともに歩む大切な存在です。

だからこそ、ご本人が楽しく活動できるような「お気に入りの姿」に仕上げることを何より大切にしています。

モデラーとの共同制作から学んだLive2D用パーツ分け

――Live2D用のパーツ分けを本格的に制作するようになったきっかけとして、モデラー様との共同制作があったそうですね。その経験から学んだことや、自分のイラストが実際に動いたときに感じる魅力について教えてください。

実は、クライアント様からのご依頼を受ける前に、モデラー様と共同で汎用モデルを制作したことが大きなきっかけでした。

その制作を通してパーツ分けの仕組みやモデラー様とのやり取りを実践的に学ぶことができたため、本格的に連携して制作を行っていくハードルがとても下がりました。

事前に一度経験できたことは、自分にとっても大きな財産になっています。

自分が描いたイラストが実際に動いた瞬間は、静止画だけでは味わえない「命が宿るような感動」があります。

モデラー様の技術によって表情が豊かに変化し、髪や衣装が立体的に揺れる姿を見ると、「こんな風に魅せられるんだ!」と毎回新しい発見があり、刺激を受けています。

mucuさんとモデラーさんによる共同制作のVTuberモデル

mucuさんとモデラーさんによる共同制作のVTuberモデル

こだわりを受け止めながら、複数のラフ案で理想を探る

――依頼の相談を受けてから完成・納品まで、普段はどのような流れで制作を進めていますか。また、依頼者とのやり取りで大切にしていることを教えてください。

制作の流れとしては、基本的に以下のステップで進めています。

  1. ヒアリング(イメージやご希望の擦り合わせ)
  2. お見積もりの提示
  3. ラフ制作(ヒアリング内容や資料をもとに作成)
  4. ラフのご確認・修正
  5. 本制作(清書・パーツ分け等)
  6. 完成品の納品・お取引完了

やり取りの中で特に大切にしているのは、クライアント様の「こだわり」をしっかりと受け止めることです。

参考資料などを共有していただきながら、ご希望のイメージをより深く理解するよう努めています。

また、もしデザインや方向性で悩まれている場合は、複数のラフ案をご提案するなどして、不安や悩みを一緒に解決しながら理想の形を作り上げていくことを意識しています。

初めて依頼するときは「ここだけは譲れない」を伝える

――初めてイラストやVTuber用立ち絵を依頼する方が、相談前に準備しておくとよいことや、伝えてもらえると助かる情報を教えてください。

一番助かるのは、ご自身が「ここだけは譲れない!」という一番こだわりたいポイントを教えていただくことです。

例えば「この目元や髪型が好き」「このモチーフやカラーを入れたい」といったデザインのこだわりはもちろん、キャラクターの性格や活動コンセプトなどの設定面も教えていただけると、よりイメージを膨らませやすくなります。

言葉で伝えるのが難しい場合は、「こういう雰囲気が好き」という参考画像を集めて見せていただくだけでもすごく助かります。

mucuさんが手がけたVTuberモデルの三面図 VTuber:甘鶴ちとせ

mucuさんが手がけたVTuberモデルの三面図 VTuber:天手古まいる

mucuさんが手がけたVTuberモデルの三面図 VTuber:itomi

掲載作品:
甘鶴ちとせさん(YouTube)
天手古まいるさん(Twitch)
itomiさん(YouTube)

MacとWacom Cintiq 16を使った制作環境

――普段使用しているソフトや機材など、現在の制作環境を教えてください。また、作業を効率よく進めるための工夫があればお聞かせください。

制作ソフトはCLIP STUDIO PAINT EXを使用しており、Macのデスクトップ環境にWacom Cintiq 16の液晶タブレットで描いています。

効率化のために取り入れている中で特に便利なのは、資料表示用のサブモニターと左手デバイスです。

画面を切り替えずに参考資料や仕様書をサブモニターで常に確認できるようにしたり、左手デバイスによく使うショートカットを割り当てたりすることで、描く作業に集中したままスムーズに制作を進められるようにしています。

「この人に描いてほしい」と思ってもらえるイラストレーターへ

――今後挑戦したい制作や、イラストレーターとしての目標を教えてください。

今後は、これまで以上に幅広いジャンルやテイストの制作にも積極的にチャレンジしていきたいです。

イラストレーターとしての大きな目標は、「この人に描いてほしい!」「この人のデザインで活動したい!」と思っていただける方を一人でも増やしていくことです。

そのために、日々の制作を通して技術や表現力を磨き続け、自信を持って作品を発信していきたいです。

イメージが固まっていない段階でも、一緒に理想の姿を探す

――最後に、mucuさんへの依頼を検討している方や、作品を見てくださっている読者へメッセージをお願いします。

いつも作品をご覧いただき、温かい応援を本当にありがとうございます!

初めてのご依頼や「イメージがうまくまとまっていない…」という場合でも、全く心配いりません。

こだわりたいポイントや理想の姿を丁寧にヒアリングし、一番良い形を一緒に作っていけるよう誠心誠意お手伝いさせていただきます。

これからも皆様の活動に寄り添い、心から気に入っていただける作品を届けていきますので、どうぞお気軽にご相談ください!

mucuさんに依頼する方法

mucuさんは、VTuber・ライバー向けのLive2D用パーツ分け立ち絵やキャラクターデザインなどを手がけています。

相談時には、キャラクターの性格や活動コンセプト、モチーフ、カラーなどに加え、「ここだけは譲れない」というポイントを伝えておくと、イメージを共有しやすくなります。

まだ具体的なデザインが固まっていない場合でも、参考画像などを使いながら相談し、複数のラフ案を通して方向性を探していくことができます。

作品や依頼に関する最新情報は、以下をご確認ください。

X:活動を見る
リンク集:lit.link
料金表:みつもっと

絵師ナビ編集部より

VTuber向けの立ち絵を依頼する場合は、キャラクターのデザインだけでなく、Live2D用のパーツ分けが必要かどうかなど、最終的な用途まで整理しておくと相談しやすくなります。

VTuber立ち絵を絵師に依頼する方法
イラスト依頼で伝えること

依頼の受付状況や料金、納期、対応可能な制作内容などは変更される場合があります。最新情報は、mucuさん本人の案内をご確認ください。