歌ってみた動画のイラストを依頼するとき、「一枚絵だけでいい?」「サイズは何px?」「動画用に人物と背景を分けてもらう必要はある?」と迷う方も多いのではないでしょうか。
歌ってみたイラストを依頼するときに最初に決めたいのは、絵柄や絵師ではなく、どのような動画を作り、そのために何のイラスト素材が必要なのかです。
一枚絵を中心にした動画なら1枚で足りる場合があります。一方、表情を変えたり人物を動かしたりする場合は、表情差分、背景透過、人物と背景の素材分けなどが必要になることがあります。
この記事では、初めて歌ってみたイラストを依頼する方向けに、必要枚数、サイズ、料金の考え方、原曲MVの参考にし方、依頼時に伝えることまで解説します。
この記事の要点
歌ってみたイラストを依頼するときは、まず次の4点を整理すると見積もりを相談しやすくなります。
| 最初に決めること | 確認する内容 |
|---|---|
| 動画構成 | 一枚絵・差分・複数枚・人物と背景を分けるなど |
| 必要素材 | 人物・背景・表情差分・サムネイルなど |
| 制作仕様 | サイズ・縦横比・背景透過・素材分け |
| 予算・納期・用途 | 予算、公開予定日、収益化、SNS利用など |
動画制作者が別にいる場合は、イラストを依頼する前に必要なサイズや素材分けを確認しておくと、完成後の追加作業を減らしやすくなります。
歌ってみたイラストを依頼する前に決めたい4つのこと
1.どのような動画にするか
まず、完成する動画の見せ方を考えます。
たとえば、次のような構成があります。
- 一枚絵を中心に歌詞や文字を動かす
- 表情差分を切り替える
- 曲の場面ごとに複数枚のイラストを使う
- 人物と背景を分けてカメラワークを付ける
ここが決まらないと、イラストレーターに何を依頼すればよいかも決まりません。
動画制作者へ編集を依頼する予定がある場合は、先に「どのような素材が必要か」を確認しておくと進めやすくなります。
2.何の素材が必要か
動画構成をもとに、必要な素材を整理します。
- 一枚絵
- 背景透過された人物
- 背景
- 表情差分
- 衣装・小物などの差分
- 複数カット
「歌ってみたイラストを1枚お願いします」だけでは、動画編集で必要な素材が足りないことがあります。
逆に、ほとんど動かさない動画なら、不要な差分や素材分けまで依頼する必要はありません。
3.サイズ・納品形式
YouTubeのパソコン上での標準アスペクト比は16:9で、1080pの推奨解像度として1920×1080pxが案内されています。
ただし、完成動画が1920×1080だから、イラストも必ず1920×1080で制作すればよいとは限りません。
ズームやカメラ移動を入れる場合は、より大きな画像が必要になることがあります。
また、次のように必要な仕様は動画制作方法によって変わります。
- PNG
- JPEG
- PSD
- 背景透過
- 人物と背景を別ファイルで納品
- 一部のパーツをレイヤー分け
動画制作者がいる場合は、イラスト発注前に確認しましょう。
動画の解像度やアスペクト比については、YouTube公式ヘルプでも最新情報を確認できます。
4.予算・納期・利用用途
予算だけでなく、次の項目も整理します。
- 動画公開予定日
- 収益化の有無
- YouTube以外での利用
- サムネイル利用
- SNS告知での利用
イラスト納品後には動画編集やMIXなど別工程があるため、動画公開日=イラスト納品日ではありません。
余裕を持った納品日を設定しましょう。
歌ってみたイラストは何枚必要?
歌ってみた動画に必要なイラスト枚数には決まりがありません。
完成させたい動画から逆算して考えます。
| 作りたい動画 | 必要素材の例 |
|---|---|
| シンプルな一枚絵動画 | 一枚絵1枚 |
| 表情を変えたい | 一枚絵+表情差分 |
| 人物を動かしたい | 背景透過人物+背景+必要な差分 |
| 場面転換の多いMV | 複数枚のイラスト・差分・背景など |
一枚絵1枚で作る
一枚のイラストを中心に、歌詞、文字、ズーム、カメラ移動などの編集を加える方法です。
制作するイラスト枚数を抑えやすく、初めて歌ってみた動画を作る場合にも検討しやすい構成です。
ただし、あとからズームする予定がある場合などは、構図や画像サイズを事前に動画制作者へ確認しておきましょう。
一枚絵+表情差分
通常表情に加え、次のような差分を用意して、曲の展開に合わせて切り替える方法です。
- 笑顔
- 目閉じ
- 悲しい表情
- 強く歌っている表情
差分が基本料金に含まれるか、追加料金になるかはイラストレーターによって異なります。
人物と背景を分ける
人物と背景を別データにしておくと、動画編集で人物だけを動かしたり、背景だけを拡大したりしやすくなります。
ただし、人物と背景を別々に描くための追加作業が必要になる場合があります。
必要になってから追加で依頼するのではなく、発注時に伝えましょう。
複数枚のイラストを使う
Aメロ、サビなど曲の展開ごとにイラストを切り替える構成です。
映像表現の幅は広がりますが、必要枚数に応じて料金・制作期間も大きくなります。
「歌ってみたなら○枚必要」と考えるのではなく、完成動画に必要な素材だけを依頼することが大切です。
歌ってみたイラストのサイズ・納品形式はどう決める?
サイズは一律に決めるのではなく、完成動画と動画編集方法から決めるのが基本です。
YouTubeの一般的な横動画なら、16:9・1920×1080pxが1080pの代表的な動画サイズです。
ただし、イラスト制作時には、動画内でのズームや移動などを考慮して、完成動画より大きなキャンバスを使う場合もあります。
動画制作者が別にいる場合
先に次の項目を確認してください。
- キャンバスサイズ
- 縦横比
- 人物と背景を分けるか
- 背景透過が必要か
- レイヤー分けが必要か
- 表情差分は必要か
- 歌詞・文字を置く余白
- 納品形式
イラスト完成後に「髪だけ動かしたい」「背景と人物を分けたい」と分かると、追加作業になる可能性があります。
PSDは必要?
必須ではありません。
一枚の完成イラストを表示するだけならPNGなどで足りる場合もあります。
PSDやレイヤー分けが必要かどうかは、動画制作者へ確認してください。
サムネイルも同じイラストを使える?
本編用のイラストをサムネイルにも使える場合があります。
その場合は、次の点が利用条件に含まれているか確認しましょう。
- サムネイルでの利用
- トリミング
- 文字入れ
- SNS告知での使用
歌ってみたイラストの料金はいくら?
歌ってみたイラストは、「歌ってみた用だから○円」と決まるものではありません。
料金は、次のような条件によって変わります。
- 描写範囲
- 背景
- 人物数
- 表情差分
- 複数枚
- 衣装デザイン
- 素材分け
- 商用・収益化利用
- 納期
絵師ナビ編集部では2026年8月、SKIMA・ココナラ・つなぐなどで公開されている「歌ってみた」「MV」用途のイラスト商品を100件以上確認しました。
そのうち、MIX・動画制作のみの商品や料金条件を比較できないものを除き、イラストの基本料金または公開開始価格を確認できた78件を集計したところ、中央値は6,750円でした。
| 集計項目 | 公開価格 |
|---|---|
| 集計対象 | 78件 |
| 中央値 | 6,750円 |
| 中央50%の範囲 | 4,250円〜10,000円 |
| 平均 | 約8,664円 |
※2026年8月に公開されていた歌ってみた・MV用途のイラスト商品を絵師ナビ編集部が確認した参考調査です。公開されている基本料金・開始価格を集計したもので、市場全体の平均価格や実際の成約価格を示すものではありません。
今回の調査では、4,000円〜10,000円程度の公開開始価格が比較的多く見られました。
ただし、これはあくまで基本料金や開始価格です。
描写範囲が全身になる場合や、背景・表情差分・素材分けなどを追加する場合は、最終的な見積もり額が上がることがあります。
そのため、初めて人物1名の歌ってみた用イラストを依頼する場合は、公開開始価格としては5,000円〜10,000円前後の商品も多い一方、全身・背景・差分・素材分けまで含めるなら1万円〜2万円台以上も視野に入れて予算を考えるとよいでしょう。
表示価格だけで判断せず、希望する内容を伝えたうえで最終的な見積もりを確認してください。
追加料金になりやすいもの
公開商品では、次のような項目が追加料金として設定されている場合があります。
- 複雑な背景
- 表情差分
- ポーズ差分
- 人物追加
- 複雑な衣装
- 小物
- 商用利用
- 二次利用
- 短納期
表示価格だけを見るのではなく、「この料金でどこまで制作してもらえるか」を確認しましょう。
原曲MVはどこまで参考にしていい?
歌ってみたイラストでは、原曲から受けた印象や世界観をイラストへ取り入れたい場合があります。
そのときは、次のように何を参考にしたいのかを具体的にすると伝わりやすくなります。
- 色味
- 明るさ・暗さ
- 感情
- 世界観
- モチーフ
- 衣装の方向性
ゐみさん|原曲の印象とモチーフを組み合わせる
歌ってみたのサムネイルイラストも手がけるゐみさんは、まず原曲を聴き、自分が曲から受けた印象と、原曲のイラストやアニメーションで使われているモチーフを組み合わせてラフを提案しています。
依頼する側も、「原曲MVと同じにしてほしい」ではなく、
- 「青を中心とした冷たい印象を取り入れたい」
- 「原曲に登場する花のモチーフを参考にしたい」
など、取り入れたい要素を言葉にすると相談しやすくなります。
おやさいゆらさん|原曲だけでなく依頼者のキャラクターらしさも考える
歌ってみたなどの一枚絵を手がけるおやさいゆらさんは、依頼ごとに異なる世界観やVTuberの特徴を考えながら制作しています。
原曲や元作品へ単純に寄せるだけではなく、歌う本人のキャラクターらしさをどう残すかも、歌ってみたイラストを考えるうえで重要な視点です。
原曲を参考にするときも、「原曲らしさ」と「自分のキャラクターらしさ」の両方をどう見せたいかを整理してみましょう。
既存作品の画像・映像をそのまま複製したり、同じものを再現するよう依頼したりするのではなく、各作品・権利者が公開しているガイドラインや利用条件も確認してください。
そのまま使える歌ってみたイラスト依頼テンプレート
歌ってみたイラストを依頼するときは、楽曲名だけでなく、完成動画でどう使うかまで伝えると見積もりしやすくなります。
MVイラストや動画サムネイルを受け付けている真白いおさんも、資料がないまま制作すると完成後の認識違いや追加修正につながる可能性があるため、相談時には制作内容や参考資料をPDFや画像にまとめて共有してもらっていると話しています。
次のテンプレートをたたき台にしてください。
【歌ってみたイラスト依頼テンプレート】
・使用する楽曲:
・使用用途:歌ってみた動画/サムネイル/SNS告知など
・動画の構成:一枚絵/差分あり/複数枚など
・キャラクター資料:
・人物数:
・描写範囲:バストアップ/腰上/全身など
・構図・ポーズ:
・衣装:
・背景:
・希望する雰囲気・色:
・必要な表情差分:
・必要な素材分け:
・サイズ・縦横比:
・納品形式:PNG/PSDなど
・予算:
・希望納期:
・動画公開予定日:
・収益化:あり/なし
・サムネイル利用:あり/なし
・SNS告知での使用:あり/なし
・実績公開:可/不可/公開日以降なら可
・クレジット表記:
決まっていない項目は、無理に埋める必要はありません。
「動画担当者へ確認中」「構図は相談したい」などと記載して相談できます。
参考資料そのもののまとめ方は、「イラスト依頼の資料の作り方|絵師に伝わる参考画像と設定のまとめ方」も参考にしてください。
歌ってみたイラストを依頼する絵師の探し方・選び方
依頼先は、次のような場所から探せます。
- SNS
- ポートフォリオ
- SKIMAなどのイラスト依頼サービス
- イラストレーター本人の依頼ページ
歌ってみたイラストでは、絵柄だけでなく、次の点も確認しましょう。
- 一枚絵・MVイラストの実績
- 背景を含む構図
- 動画用素材への対応
- 背景透過
- 差分
- 素材分け
- 利用条件
- 納期
歌ってみた制作実績がなければ依頼できないわけではありません。
ただし、動画用イラストの経験がある場合、必要な素材や構図について相談しやすいことがあります。
一般的な探し方については「絵師の探し方を初心者向けに解説|依頼したいイラストレーターの見つけ方」、候補の比較方法については「絵師の選び方|依頼で失敗しない比較ポイントを初心者向けに解説」も参考にしてください。
歌ってみたイラストを依頼する流れ
基本的には次の順番です。
- 使用楽曲・動画構成を決める
- 必要なイラスト素材を整理する
- 動画制作者がいる場合は仕様を確認する
- イラストレーターを探す
- テンプレートを使って見積もりを相談する
- ラフを確認する
- 完成データを受け取る
- 利用条件とクレジットを確認して動画制作へ進む
ラフでは、次のような点を確認します。
- 構図
- 人物位置
- 表情
- 衣装
- 背景
- 文字を置く余白
- サムネイルにしたときの見え方
清書後の大幅な構図変更は追加料金になる場合もあるため、大きな方向性はラフ段階で確認しましょう。
見積もりについては「イラスト依頼の見積もり方法|頼み方・必要項目・確認ポイントを解説」、ラフ確認については「イラスト依頼のラフ確認で見るポイントは?修正の伝え方も解説」も参考にしてください。
収益化・サムネイル・クレジットで確認すること
歌ってみた動画では、イラストの使用範囲も依頼前に確認します。
収益化動画で使う
収益化動画での使用を商用利用とするかどうかは、イラストレーターによって異なります。
収益化予定がある場合は最初に伝え、追加料金や利用条件を確認しましょう。
サムネイル・SNSでも使う
本編とは別に、次の用途でも使う予定があれば、その旨を伝えます。
- YouTubeサムネイル
- Xなどでの告知
- トリミング
- 文字入れ
クレジット
クレジット表記の条件もイラストレーターによって異なります。
- 表記名
- Xアカウント
- Webサイト
- リンクの要否
まで依頼時に確認しておくと、公開直前に慌てずに済みます。
楽曲とイラストの権利確認は別
イラストレーターから動画利用の許可を得たからといって、楽曲や原曲MVについて必要な確認まで済むわけではありません。
歌ってみた動画そのものについては、楽曲・権利者・投稿プラットフォーム等が示している最新の利用条件も別途確認してください。
イラスト側の著作権や商用利用については、「イラスト依頼の著作権は誰のもの?商用利用・二次利用・著作権譲渡を解説」も参考にしてください。
よくある質問
歌ってみた専用のイラストは必ず必要ですか?
必須ではありません。
すでに持っているイラストを動画で使用できる条件になっている場合は、既存イラストを使えることもあります。
ただし、動画利用・収益化・サムネイル・トリミングなどが認められているか確認してください。
一枚絵1枚でも歌ってみた動画を作れますか?
作れます。
一枚絵を中心に、歌詞やカメラ移動などを加える動画もあります。
必要枚数は動画構成によって決まります。
イラストは1920×1080pxで依頼すればいいですか?
完成動画が1920×1080でも、イラスト制作サイズまで同じでよいとは限りません。
ズーム・移動・素材分けなどの演出をする場合は、より大きなデータが必要になる可能性があります。
動画制作者がいる場合は事前に確認してください。
PSDで納品してもらった方がいいですか?
必須ではありません。
必要なファイル形式は動画編集方法によって変わります。
動画制作者とイラストレーター、どちらへ先に相談すればいいですか?
動画制作者がすでに決まっている場合は、必要なサイズ・素材分け・差分などを先に確認すると、イラストレーターへ具体的に依頼しやすくなります。
原曲MVと同じ構図で描いてもらえますか?
そのままの再現を前提にせず、色・雰囲気・モチーフ・感情など、参考にしたいポイントを整理して相談する方がよいでしょう。
作品・権利者が公開しているガイドライン等も確認してください。
SKIMAを初めて利用する方へ
SKIMAでは、歌ってみた・MV用のイラストを制作しているクリエイターも探せます。
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※招待特典の内容や利用条件は変更される場合があります。登録時にSKIMA公式サイトで最新情報をご確認ください。
※この招待リンクを経由して所定の条件を満たした場合、絵師ナビにもSKIMA内の紹介特典が付与される場合があります。絵師ナビはSKIMAの公式運営・関係者ではありません。
まとめ|必要素材を決めてから歌ってみたイラストを依頼しよう
歌ってみたイラストを依頼するときは、最初に絵師を探すのではなく、完成させたい動画から必要素材を整理することが大切です。
まず、次の4点を確認しましょう。
- 動画構成
- 必要なイラスト素材
- サイズ・納品形式
- 予算・納期・利用用途
一枚絵だけでよい動画もあれば、表情差分、背景透過、人物と背景の素材分けが必要になる動画もあります。
動画制作者がいる場合は、イラスト制作前に仕様を確認してください。
また、原曲の雰囲気を取り入れるだけでなく、歌う本人のキャラクターらしさをどう見せるかまで考えると、オリジナルの歌ってみたイラストとして方向性を共有しやすくなります。
依頼内容が整理できたら、この記事のテンプレートを使って、希望するイラストレーターへ見積もりを相談してみてください。


