「透明感×キャッチーさ」で描く“つやっと可愛い”世界|小倉ふうりさんインタビュー

インタビュー

個人VTuberや動画投稿者からの依頼を中心に、一枚絵や立ち絵、SD・ミニキャライラストなどを手がけるイラストレーター・小倉ふうりさん。

淡い色使いの中に、瞳や髪のハイライトなどの印象的な表現を取り入れた「つやっと可愛いキャライラスト」を掲げて活動しています。キャラクターに合わせた小物や衣装のアレンジも得意としており、一つのモチーフから複数の要素を連想しながら、世界観を広げています。

今回は、イラストを描き始めたきっかけや2024年にイラストレーターとして開業するまでの経緯、思い入れのある作品「スケルトン・アクアリウム」、「透明感×キャッチーさ」を目指す作風、依頼者とのやり取りで大切にしていることなどについて伺いました。

小倉ふうりさんのプロフィール

  • 活動名:小倉ふうり
  • 活動内容:キャラクターイラスト、一枚絵、立ち絵、SD・ミニキャライラスト、VTuber・動画投稿者向けイラスト、オリジナル作品の制作
  • 得意な制作:10〜20代の女性キャラクター、中性的な男性キャラクター、SD・ミニキャライラスト、小物・衣装のアレンジ
  • 使用ソフト:CLIP STUDIO PAINT、SAI、Procreate
  • 制作機材:WindowsPC、Wacom Cintiq 16、iPad
  • X:活動を見る
  • Xfolio:作品・依頼案内を見る
  • pixiv:作品を見る
  • Skeb:リクエストする

小倉ふうりさんの活動内容やプロフィール、依頼に関する情報をまとめて確認したい方は、プロフィールページをご覧ください。

※依頼の受付状況や制作条件は変更される場合があります。相談前に小倉ふうりさんの最新の案内をご確認ください。

和風衣装の依頼と、自分の世界観を描く創作に力を

――現在のイラスト活動の中で、特に力を入れている仕事や制作について教えてください。

現在は、個人のVTuber様や動画投稿者様からご依頼をいただくことが多いです。

最近、和風衣装のイラストを描かせていただく機会が多いことに気づきました。和風の世界観を描くことは好きなのですが、衣装の構造や装飾の描写など、難しい部分も多いモチーフだと感じています。

今後も研究を重ね、より魅力的に描けるよう力を入れていきたいです。

また、ご依頼のイラストと並行して、自分のオリジナルイラストや趣味のイラストも定期的に発表していきたいと思っています。

自分の世界観や好きなものを、イラストを通して共有できたらうれしいです。アイデアを膨らませるためにも、積極的にさまざまなものを見たり、体験したりしていきたいと考えています。

小倉ふうりさんが手がけた和装の一枚絵

小倉ふうりさんが手がけた和装のイラスト

プロのイラストレーターへの憧れから、2024年に開業

――イラストを描き始めたきっかけと、イラストレーターとして活動を始めるまでの経緯を教えてください。

イラストを描き始めたのは、小学生の頃です。アニメや少女漫画の絵に憧れて描くようになりました。

デジタルイラストは、小学校高学年頃にお絵かき掲示板やフリーソフトを使って描き始め、現在に至ります。

その後、VOCALOIDの動画やCD、ライトノベルに携わるイラストレーターの方々に憧れ、「イラストを描く仕事がしたい」と思うようになりました。

中学生から高校生の頃は、イラストレーターを目指してSNSへの作品投稿や、公募企画への応募を続けていました。ユーザー公募をきっかけに、動画用のイラストを描かせていただいたこともあり、とてもうれしかったことを覚えています。

大学は地元の芸術系大学へ進学しました。メディアに関する学部で、私はイラストを専攻していました。

イラストや漫画、アニメ、Webなどに関する講義や実習を通して、視野を広げることができたと思います。他の学生の作品を目にする機会も多く、大変刺激になりました。

卒業後は、イラストとは関連のない一般企業に就職しました。仕事をしながらイラストの制作や投稿は続けていましたが、十分な時間を割けないことに悩んでいました。

転機となったのは、2023年に母校のイベントへ出展したことです。それをきっかけに、本気でイラストの活動に取り組んでみたいという気持ちが強くなりました。

当時の状況を踏まえて勤めていた職場を退職し、その後の半年ほどを開業の準備期間に充てました。

「この期間までに達成できなかったら次はこうする」というように、段階的に目標を決めて計画を立てました。

画力がまだ足りていないと感じていたため、作品制作と投稿、公募への応募にも積極的に取り組みました。動画などで得た知識を作品に取り入れ、SNSでの反応も含めて、うまくいった部分や気になった部分を自分で振り返り、次の作品に生かすことを繰り返していました。

この時期が、一番画力の向上につながったと感じています。

並行して、開業に必要な手続きについて調べたり、仲介サイトやポートフォリオなどの依頼窓口を整えたりしました。

そして2024年に、イラストレーターとして開業しました。現在はほかの仕事もしながら、イラストのご依頼を受けています。

自分の好きな世界観を共有できた「スケルトン・アクアリウム」

――これまでに制作した中で、自信作や特に思い入れのある作品を教えてください。

2023年に制作した「スケルトン・アクアリウム」という作品です。

現在掲げている「つやっと可愛いイラスト」とは、少し傾向の異なる作品です。

昔から好きな「透明骨格標本」をモチーフにしています。以前にも同じキャラクターとモチーフでイラストを制作したことがあるのですが、この作品が最も、自分の中にあるキャラクターのイメージや世界観を表現できたと感じています。

「水中に入ると骨格標本の姿になる魚たち」を描きたかったので、その境界線となる水面の描写が特に気に入っています。描きたかったモチーフを、しっかり表現できたのではないかと思います。

SNSのフォロワーの方や、作品を投稿した雑誌を通じても、文章で感想をいただきました。自分の好きな世界観をイラストで共有できたことが、大変うれしかったです。

小倉ふうりさんが手がけた『スケルトン・アクアリウム』

淡い色の中に視線を引きつける「透明感×キャッチーさ」

――「つやっと可愛いキャライラスト」という作風では、どのような表現を大切にしていますか。

「透明感×キャッチーさ」を目指したいと考えています。

私は淡い色使いが好きなのですが、淡い色だけでまとめると、引きで見たときの印象が薄くなり、周囲に埋もれてしまうことに悩んでいました。

キャラクターにもよりますが、目立たせたい瞳や髪のハイライト、影になる部分などをはっきりと描き、顔の周辺に視線が向かうよう意識しています。

髪のハイライトは、ベースの髪色とは違う系統の色を使うのもかわいいので、毎回悩みながら決めています。

水や魚に関するイラストを描くことも多く、髪のハイライトを、水面に揺らぐ光のように描く表現も気に入っています。

ガラスのような透明感のある素材も好きなので、今後もそうした質感の描写に力を入れていきたいです。

小倉ふうりさんが手がけたつやっと可愛いキャライラスト

小倉ふうりさんが手がけたつやっと可愛いキャライラスト

直線と曲線、表情とポーズで男女を描き分ける

――男性キャラクターと女性キャラクターを描く際、描き分けるために意識していることを教えてください。

線を引くときに、男性は直線的に、女性は曲線的に描くことを意識しています。

女性キャラクターは、表情のかわいらしさやポーズのしなやかさを大切にしています。10代のキャラクターを描く場合は、無邪気さも感じられるような表情を心がけています。

男性キャラクターは、スタイリッシュさが出るようなポーズや表情を意識しています。

男女それぞれで、どのような描写に魅力を感じるのかを自分なりに分析し、作品に取り入れています。

小倉ふうりさんが手がけた男性キャラのイラスト

小倉ふうりさんが手がけた女性キャラのイラスト

2.5頭身のSDキャラはシルエットと誇張を大切に

――SD・ミニキャライラストでは、どのようなことを意識していますか。

全体のシルエットとバランスを大切にしています。

私は2.5頭身くらいのデフォルメを描くことが多いのですが、猫耳や衣装のパーツなど、キャラクターのチャームポイントとなる部分や、ポーズを少し大きめに表現することを意識しています。

引きで見たときにも、キャラクターの特徴が分かりやすくなるようにしています。

線が多すぎると小さく表示した際に見づらくなってしまうため、最近は、できるだけ線を減らしてすっきり見せることも意識して調整しています。

小倉ふうりさんが手がけたSDイラスト

小倉ふうりさんが手がけたSDイラスト

「自分が欲しい」と思える小物で世界観を広げる

――キャラクターに合わせた小物や衣装のアレンジでは、どのようにアイデアを考えていますか。

元のキャラクターに猫や魚などの象徴的なモチーフがある場合は、その形や模様を小物や衣装に取り入れられないかを考えます。

特徴的なアクセサリーを身につけているキャラクターであれば、イラストのテーマに合わせて、金属だった素材をファーやクリア素材に変えてみることもあります。

小物については、「自分が欲しい」と思えるものを描きたいと考えています。

また、一つのテーマから連想した要素や、関連する別のモチーフを取り入れることもあります。

例えば金魚であれば、赤や金色、ヒレの透明感、水草、うろこ模様、キンギョソウなど、さまざまな要素へ発想を広げていきます。

一つのモチーフをそのまま描くだけでなく、色や形、質感、名前などから関連する要素を探し、キャラクターの世界観を広げています。

小倉ふうりさんが手がけたイラスト

一枚絵・立ち絵・ミニキャラで変える見せ方

――一枚絵や立ち絵、ミニキャラなど、用途に合わせて変えている部分があれば教えてください。

一枚絵では背景や小物などの描写も増えるため、構図の流れや色を使って、キャラクターの顔や持ち物へ視線を誘導できるよう意識しています。

ミニキャラや立ち絵では、元のキャラクターが持つ固有色から大きく変えることはあまりありません。

一方、一枚絵では、夜や水中といった場面に合わせて、作品全体の色味を変えることがあります。

ミニキャラと立ち絵では、どちらもシルエットや全体のバランスを重視しています。

等身イラストの立ち姿を描く際には、自分でも実際に同じポーズを取ってみて、不自然な部分がないかを確認することもあります。

小倉ふうりさんが手がけた立ち絵イラスト

小倉ふうりさんが手がけたイラスト

VTuber制作・運用の経験から、イラストを「使う側」の視点を知る

――以前、VTuberの制作や運用に携わった経験は、現在のイラスト制作にどのように生かされていますか。

以前、勤務先でVTuberに関する企画があり、制作や運用に携わらせていただいたことがあります。

動画やサムネイル、投稿用画像などを改めて一から自分で制作したことで、イラストや素材を実際に使う側の視点を知ることができました。

イラストそのもののクオリティだけでなく、用途に対して使いやすいデータを作ることも大切にしたいと考えるようになりました。

また、エフェクトや小物など、VTuber様自身のお姿であるLive2Dモデルで表現できることが、想像していたより多いことにも気づきました。

そのような選択肢がある中でイラストをご依頼いただいているからこそ、自分のイラストでなければできない表現を提供できるよう、取り組んでいきたいです。

CLIP STUDIO PAINTを中心に、SAIとProcreateも活用

――普段使用しているソフトや機材について教えてください。

現在は、WindowsPCと液晶タブレットのWacom Cintiq 16を使用し、CLIP STUDIO PAINTを中心に制作しています。

CLIP STUDIO PAINTは機能が多く、普段の制作は基本的に一つのソフトで完結します。

元のファイルを残したまま、納品するデータのサイズを調整して書き出せるため、ご依頼のイラストを制作する際にも非常に助かっています。利用している方が多く、操作方法や機能について調べやすいことも利点だと感じています。

SAIは、以前メインの制作ソフトとして使用していました。

動作が軽く、スムーズに描き進められるところが魅力です。色を選ぶカラーサークルの仕様もCLIP STUDIO PAINTとは少し異なり、自分の好みの色味を出しやすいのはSAIだと感じています。

iPadではProcreateを使用しています。PCを開けないときや外出先で、ラフや落書きを描く際に活用しています。

あまり制作時間を確保できなかった時期にも、Procreateがあったことでイラストを描き続けられたと思っています。

初めての依頼でも「次に何をすればよいか」が分かるように

――依頼の相談を受けてから完成・納品まで、普段はどのような流れで制作を進めていますか。また、依頼者とのやり取りで大切にしていることを教えてください。

大きく分けると、次の流れで進めています。

  1. ヒアリング・依頼内容の決定
  2. ラフ制作・修正
  3. 清書
  4. 納品

ラフは基本的にカラーラフでお渡しし、完成後のイメージをつかみやすくなるよう心がけています。

自分の中に複数の案がある場合は、数パターンのラフを提出し、依頼者様に選んでいただくこともあります。清書の際にも、ラフで共有したイメージから離れないよう意識しています。

最初の相談では、納品物の形式も含めて、依頼内容について認識のずれがないかを改めて確認します。

イメージがまだ固まっていない場合には、先に決まっている部分をもとにラフを制作し、そのラフを見ながら方向性を固めていくこともあります。

初めてイラストを依頼する方からご相談いただくこともあります。

そのため、連絡をくださった方が次に何をすればよいのか、今後どのような作業を予定しているのかが分かるよう、できるだけ明記してやり取りすることを大切にしています。

MVや書籍イラストへ。見た人を惹き込む「絵力」を磨きたい

――今後挑戦したい制作や活動、目標について教えてください。

MVや書籍のイラストを担当することに以前から憧れてきたので、自主制作でも、そうした用途を意識した作品を制作していきたいです。

衣装やキャラクターのデザインについては、まだ弱いと感じる部分があります。さまざまなものを見たり、体験したりしながらアイデアの引き出しを増やし、今後の制作に取り入れていきたいです。

また、表現力を磨き、自分のイラストに、見た人を惹き込む「絵力」と呼んでいるものの強さを持たせたいと考えています。

まだ駆け出しではありますが、いただいたご依頼に対しては、120%の力を出すことを念頭に日々取り組んでいます。

一緒にイメージを形にするお手伝いを

――最後に、依頼を検討している方や、作品を見てくださっている読者へメッセージをお願いします。

ミニキャラから等身イラストまで、「つやっと可愛い」絵柄で描かせていただきます。

皆様のイメージを一緒に形にするお手伝いができましたら幸いです。

これまで携わったことのない分野のお仕事にも、ぜひ挑戦してみたいと思っています。

いつも作品を見てくださり、ありがとうございます。自分の絵柄や世界観を少しでもよいと思っていただけたなら、大変うれしいです。

今後の自主制作では、これまで以上に「自分の好きなポイントや世界観」と向き合いながら制作していきたいと考えています。

これからの活動や作品も、チェックしていただけましたら幸いです。

小倉ふうりさんに依頼する方法

小倉ふうりさんは、個人VTuberや動画投稿者向けのイラストをはじめ、一枚絵、立ち絵、SD・ミニキャライラストなどを手がけています。

透明感のある淡い色使いに、瞳や髪のハイライトなどの印象的な表現を組み合わせた「つやっと可愛い」キャラクターイラストが特徴です。

猫や魚など、キャラクターを象徴するモチーフを小物や衣装に取り入れるアレンジにも対応しています。イメージが固まっていない場合には、決まっている情報をもとにカラーラフを作成し、相談しながら方向性を整えていくこともあります。

作品や最新の依頼受付状況については、以下の案内をご確認ください。

  • 活動情報:X
  • 作品・依頼案内:Xfolio
  • 作品一覧:pixiv
  • リクエスト:Skeb

※依頼の受付状況、料金、納期、修正対応、商用利用などの条件は変更される場合があります。依頼前に、小倉ふうりさんの最新の案内をご確認ください。

絵師ナビ編集部より

絵師ナビでは、初めてイラストを依頼する方に向けて、相談時に伝える内容や、SD・ミニキャライラストの依頼方法を解説しています。