「同人誌の表紙を絵師に依頼したいけれど、何を伝えればいいのかわからない」と悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。
同人誌の表紙は、一般的なイラスト依頼と違い、完成した絵を印刷して本にすることが前提です。そのため、構図やキャラクター資料だけでなく、本のサイズ、印刷所のテンプレート、背幅、塗り足し、入稿締切なども考えて依頼する必要があります。
また、「表紙イラストだけ描いてほしい」のか、「タイトルや著者名も入れてほしい」のか、「入稿できる表紙データまで作ってほしい」のかによって、依頼内容も変わります。
この記事では、初めて同人誌の表紙イラストを依頼する方に向けて、料金の考え方、依頼前に決めること、印刷仕様、スケジュール、絵師の選び方、二次創作・著作権の注意点まで順番に解説します。
同人誌の表紙イラストは絵師に依頼できる
一次創作の同人誌や、自分で制作した小説・漫画などの表紙イラストを、絵師(イラストレーター)へ依頼できます。
依頼サービスを利用するほか、SNSやポートフォリオなどから依頼を受け付けている絵師を探し、直接相談する方法もあります。
イラスト依頼そのものが初めての場合は、「イラスト依頼の方法|初めて絵師に頼む流れ・準備・注意点」で、相談前の準備から納品までの基本的な流れを確認できます。
二次創作同人誌の場合は、原作やキャラクターなど第三者の著作物を利用することになるため、対象作品の二次創作ガイドラインや利用条件などを確認したうえで進める必要があります。この点については後半で詳しく解説します。
Web小説・電子書籍なども含めた小説表紙全般の依頼については、「小説の表紙・挿絵を依頼する方法|相場・著作権・絵師の選び方」で解説しています。
同人誌の「表紙依頼」はどこまで頼むかで内容が変わる
「同人誌の表紙を依頼する」といっても、実際の制作範囲はいくつかあります。
イラストだけをお願いするのか、文字入れやデザイン、入稿用データの作成までお願いするのかによって、必要な作業や料金、依頼先が変わる可能性があります。
表1のイラストだけ依頼する
本の表側に使うイラストを制作してもらい、タイトルや著者名などは自分や別のデザイナーが配置する方法です。
この場合でも、後から文字を重ねる予定があるなら、タイトルを配置したい位置や必要な余白を制作前に伝えておきましょう。
表1・表4につながるイラストを依頼する
本の表側から背表紙をまたぎ、裏側までつながる一枚のイラストを制作してもらう方法です。
表1だけを描く場合より描画範囲が広くなり、人物や重要な要素をどこへ配置するかも考える必要があります。
タイトル・著者名まで入れてもらう
イラストに加えて、作品タイトル、著者名、サークル名などの文字を配置してもらう方法です。
絵師によっては簡単な文字入れに対応している場合がありますが、対応範囲や料金は依頼先によって異なります。
ロゴ・表紙デザイン全体まで依頼する
タイトルロゴ、文字組み、表1・背表紙・表4のレイアウトなどを含めて、表紙全体をデザインしてもらう方法です。
イラスト制作とグラフィックデザインは別の作業です。絵師が両方対応する場合もあれば、イラストとデザインを別の制作者へ依頼する場合もあります。
入稿用データまで作ってもらう
印刷所が指定するテンプレートや仕様に合わせ、入稿できる状態まで表紙データを仕上げてもらう方法です。
ただし、イラスト制作に対応しているからといって、印刷用の表紙デザインや入稿データ作成にも対応しているとは限りません。
依頼前に、「イラストのみ」「文字入れまで」「デザイン全体」「入稿用データまで」のどこまで必要なのかを整理し、対応可能な範囲を確認しましょう。
必要なものから依頼先を決める
誰に依頼するか迷った場合は、完成時にどこまで必要なのかから逆算すると判断しやすくなります。
| 必要なもの | 主な依頼先 |
|---|---|
| 表紙に使うイラストだけ | イラストレーター |
| 用意したイラストへの文字入れ・レイアウト | 表紙・装丁デザイナー |
| イラスト+表紙デザイン | 両方に対応する制作者、またはイラストレーターとデザイナーへ別々に依頼 |
| 印刷所へ入稿できる表紙データ | 入稿データ作成まで対応できるデザイナー・制作者 |
依頼サービスを使って制作者を探したい場合は、「イラスト依頼サイト5選を比較|ココナラ・SKIMA・Skebなどの違いと選び方」も参考にしてください。
表1・表4・背表紙とは?
同人誌の表紙を依頼するときに使われる基本的な用語を整理します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 表1 | 本を閉じたときの表側。一般に「表紙」と呼ばれる面 |
| 表4 | 本の裏側の面 |
| 背表紙 | 本を立てたときに背となる部分 |
表1だけにイラストを使うのか、背表紙をまたいで表4までつながる絵にするのかによって、必要な構図やデータサイズが変わります。
背表紙の幅である「背幅」は、本の仕様によって変わります。詳しくは後述します。
同人誌表紙イラストの依頼料金はどれくらい?
同人誌の表紙制作には、一律の料金相場があるわけではありません。
特に注意したいのが、「表紙イラストを描いてもらう料金」と「用意したイラストを使って表紙をデザインしてもらう料金」は別だということです。
絵師ナビ編集部では2026年8月、SKIMA・ココナラで公開されている同人誌表紙関連の商品候補100件を確認しました。そのうち、同人誌用途・制作範囲・公開開始価格を比較できた68件を、「表紙デザインのみ」「表紙イラストのみ」「イラスト+表紙デザイン」に分けて集計しています。
| 制作範囲 | 確認数 | 価格を安い順に並べたときの真ん中 | 今回の調査での補足 |
|---|---|---|---|
| 表紙デザインのみ | 50件 | 8,000円 | 半数が6,000〜10,000円 |
| 表紙イラストのみ | 10件 | 9,500円 | 3,000〜30,000円と幅が大きい |
| イラスト+表紙デザイン | 8件 | 14,500円 | 7,000〜17,000円の商品を確認 |
最も件数が多かった「表紙デザインのみ」50件では、価格を安い順に並べたとき中央に位置する金額は8,000円でした。また、50件のうち半数は6,000〜10,000円の範囲に入っていました。
ここでいう「表紙デザインのみ」は、依頼者などが用意したイラストや素材を使って、タイトル、著者名、表1・表4・背表紙などをレイアウトする商品のことです。基本的には、新しく表紙イラストを描いてもらう料金は含みません。
一方、表紙イラストのみ10件では、価格を安い順に並べたとき中央に位置する金額は9,500円でしたが、確認できた価格は3,000〜30,000円と幅がありました。
人物数、背景、描画範囲、表4まで描くかなどによる違いが大きいため、9,500円を「同人誌表紙イラスト全体の相場」と考えることはできません。
イラスト制作と表紙デザインをまとめて依頼できる商品もあり、今回比較できた8件では、価格を安い順に並べたとき中央に位置する金額は14,500円でした。
また、公開開始価格だけでは完成時の料金がわからない場合があります。特殊加工用データ、箔押し用データ、ポスター・お品書き、帯、追加デザイン案、短納期対応などがオプション料金になっている商品もあります。
料金を比較するときは、金額だけではなく、「イラスト制作が含まれるか」「表4・背表紙まで含まれるか」「文字入れ・ロゴ・入稿用データまで対応しているか」を確認しましょう。
※2026年8月に絵師ナビ編集部がSKIMA・ココナラの公開商品候補100件を確認し、同人誌用途・制作範囲・公開開始価格を比較できた68件を参考集計したものです。専用出品や制作範囲を比較できない商品などは除外しています。無作為抽出ではなく、市場全体の平均価格や実際の成約価格を示すものではありません。
表紙イラストの料金は制作内容によって変わる
人物1人を中心とした構図と、複数人物や描き込んだ背景を含む構図では制作量が異なります。
また、キャラクターの外見がすでに決まっている場合と、依頼時にキャラクターデザインから制作してもらう場合でも、必要な工程が変わります。
表1・表4まで描く場合
表1だけではなく、表4までつながるイラストを依頼する場合は、描画範囲や構図設計が変わります。
料金がどの程度変わるかは依頼先によって異なるため、「表1・背表紙・表4のどこまでイラストが必要か」を伝えて確認してください。
文字入れ・表紙デザインは別料金の場合がある
タイトル文字、ロゴ、表紙全体のデザインなどは、イラスト料金とは別に設定されている場合があります。
今回の調査でも、表紙イラストと表紙デザインは別の商品として受け付けられているケースが多く確認できました。
見積もりを確認するときは、完成時にどこまで仕上げてもらえる料金なのかも確認しましょう。
料金が変わる主な要素
- 人物数
- 人物の描写範囲
- 背景の有無・描き込み量
- 表1のみか、表4まで含むか
- キャラクターデザインの有無
- タイトルなどの文字入れ
- ロゴ制作
- 表紙デザイン
- 入稿用データ作成
- 特殊加工用データの作成
- ポスター・お品書きなどの追加制作物
- 利用用途
- 納期
- 修正の内容・回数
イラスト依頼全般の費用については、「イラスト依頼の相場はいくら?用途別の料金目安と費用が変わる理由」でも詳しく解説しています。
同人誌の表紙を依頼する前に決めること
絵師へ連絡する前に、本の仕様や頒布予定をある程度整理しておくと相談や見積もりを進めやすくなります。
本の内容・ジャンル
漫画、小説、イラスト集など、本の種類と内容を整理します。
表紙でどのような雰囲気を伝えたいのかも簡単にまとめておきましょう。
一次創作か二次創作か
一次創作の場合と、既存作品をもとにした二次創作では、確認する権利関係が異なります。
二次創作の場合は、対象作品の公式ガイドラインや利用条件を確認してください。
本のサイズ
A5、B5、文庫など、本のサイズを決めます。
本の仕様によって必要な表紙データが変わるため、依頼前に利用予定の印刷所で確認しましょう。
印刷所・印刷プラン
できるだけ早い段階で、利用する印刷所や商品・プランを決めます。
同じ本のサイズでも、表紙のテンプレートや入稿方法などが異なる場合があるためです。
ページ数
ページ数は本の厚さに関係し、背表紙がある場合は背幅にも影響します。
依頼時点で確定していない場合でも、いつ頃確定するのかを整理しておきましょう。
イベント・頒布予定
イベントで頒布するのか、通販を予定しているのかなど、完成した本をどのように配布・販売する予定なのかも確認します。
表紙制作の範囲
最後に、イラストだけを依頼するのか、文字入れ、デザイン、入稿用データまで必要なのかを決めます。
印刷所のテンプレートを確認してから依頼する
同人誌表紙の依頼では、利用予定の印刷所が公開している最新の入稿仕様を確認することが重要です。
仕上がりサイズ、塗り足し、背幅、カラーモード、ファイル形式などは、印刷所や商品によって異なる場合があります。
そのため、具体的な数値を絵師へ伝える前に、利用予定の印刷所の公式テンプレートや入稿案内を確認しましょう。
仕上がりサイズを確認する
まず、本のサイズと表紙に必要なデータ範囲を確認します。
表1だけを描いてもらうのか、表4や背表紙まで含めるのかによっても必要な範囲が異なります。
塗り足しを確認する
塗り足しとは、断裁時に多少のずれが生じても紙の端に意図しない白い部分が出にくいよう、仕上がり位置より外側まで背景や色などを伸ばして制作する領域です。
必要な塗り足し幅は利用する印刷所の仕様を確認してください。
背幅を確認する
背幅は、本の厚さによって変わります。
ページ数だけではなく、利用する用紙や製本仕様などが関係する場合があるため、自分で推測して固定値を伝えず、利用予定の印刷所が提供するテンプレートや計算方法で確認しましょう。
入稿用テンプレートを共有する
印刷所が表紙用テンプレートを公開している場合は、必要に応じて絵師やデザイナーへ共有します。
ただし、イラストだけを制作してもらい、入稿用データは自分や別のデザイナーが作成する場合もあります。誰がどの工程を担当するのかも明確にしておきましょう。
カラーモード・ファイル形式を確認する
必要なカラーモードや納品形式についても、利用予定の印刷所の最新仕様を確認してください。
イラスト依頼におけるサイズ・解像度・ファイル形式の基本については、「イラスト依頼のサイズ・解像度・納品形式|用途別の決め方を初心者向けに解説」も参考にしてください。
同人誌の表紙イラストを依頼するときに伝えること
表紙を依頼するときは、必要に応じて次の情報を整理します。
- 作品タイトル
- 一次創作・二次創作の別
- 本の種類・ジャンル
- 作品の内容・雰囲気
- キャラクターの設定・資料
- 構図の希望
- 人物数
- 背景の希望
- 表1のみか、表4まで含むか
- タイトルなどの文字を配置する予定
- 著者名・サークル名
- 本のサイズ
- 利用予定の印刷所・商品
- 必要に応じて入稿用テンプレート
- 希望納期
- 入稿締切
- イベント日
- 頒布方法
- 予算
- 成人向け作品の場合はその旨
- 同人誌以外にも利用する予定がある場合はその用途
一般的なイラスト依頼で伝えておきたい項目については、「イラスト依頼で伝えること12項目|チェックリストと例文付き」でも整理しています。
すべてを細かく指定する必要はありません。決まっていない部分や、絵師へ提案してもらいたい部分があるなら、そのことも伝えましょう。
作品の内容・雰囲気を伝える
作品の内容や、表紙から伝えたい雰囲気をまとめます。
「明るい恋愛もの」「不穏な雰囲気にしたい」など、表紙の方向性を共有すると構図や色の相談をしやすくなります。
キャラクター資料を用意する
キャラクターの外見が決まっている場合は、立ち絵や設定画などを共有します。
キャラクター設定や参考画像のまとめ方については、「イラスト依頼の資料の作り方|絵師に伝わる参考画像と設定のまとめ方」でも詳しく解説しています。
タイトル・文字位置の予定を伝える
後からタイトルや著者名を配置する場合は、その予定をイラスト制作前に伝えておきましょう。
たとえば、表1上部にタイトルを配置するなら、その位置に人物の顔など重要な要素が重ならない構図を相談できます。
印刷所テンプレートを共有する
印刷所や本の仕様が確定しており、制作に必要なテンプレートがある場合は共有します。
入稿締切を伝える
イベント日だけではなく、「イラストをいつまでに必要としているのか」を具体的に伝えましょう。
同人誌表紙を依頼するときのスケジュール
同人誌の表紙では、イラストが完成した後にも作業が残る場合があります。
そのため、イベント当日だけを基準にせず、印刷所への入稿から逆算してスケジュールを考えましょう。
イベント日から入稿締切を確認する
イベントで頒布する場合は、利用予定の印刷所で希望する納品日に間に合う入稿締切を確認します。
締切は印刷所や商品、時期などによって変わる可能性があるため、注文時に最新情報を確認してください。
入稿締切から逆算してイラストの納期を決める
イラスト完成後に自分やデザイナーがタイトルを配置し、表紙データを仕上げるなら、その作業時間も必要です。
イラストの納品日と入稿締切を同じ日に設定せず、後工程を含めて納期を相談しましょう。
ラフ・修正の時間を確保する
依頼方法によっては、制作途中にラフを確認したり、合意した範囲で修正を依頼したりすることがあります。
確認や修正が発生する可能性も含めてスケジュールを組んでおきましょう。
デザイン・入稿準備の時間も確保する
文字入れ、表紙デザイン、背幅の反映、入稿データの確認などを自分や別のデザイナーが行うなら、その期間も必要です。
必要な制作期間は依頼内容や絵師の状況によって異なるため、「イベントの○日前なら間に合う」と一律には考えず、早めに相談してください。
同人誌の表紙イラストを依頼する絵師の選び方
依頼先を選ぶときは、作風だけではなく、自分が必要とする制作内容に対応しているかも確認しましょう。
依頼したい絵師そのものがまだ決まっていない場合は、「絵師の探し方を初心者向けに解説|依頼したいイラストレーターの見つけ方」も参考にしてください。
同人誌・書籍表紙の制作実績を見る
同人誌や書籍など、表紙として使用されたイラストの実績があれば参考になります。
ただし、表紙の実績がないから依頼できないわけではありません。一枚絵なども含めてポートフォリオを確認し、希望する作品に合うか判断しましょう。
作品のジャンルと作風が合うか確認する
人物の描き方、色使い、背景、雰囲気などを見て、自分の本に合う表現ができそうか確認します。
印刷用の表紙制作に対応できるか確認する
印刷所のテンプレートを前提とした制作を希望する場合は、対応できるか確認してください。
ただし、イラストだけを制作してもらい、その後の入稿用データ作成を別の人が担当するなら、絵師自身が入稿作業まで対応する必要はありません。
表紙デザインまで対応しているか確認する
文字入れやロゴ、表紙全体のデザインも必要なら、その作業まで対応可能か確認します。
納期が入稿予定と合うか確認する
希望する納品時期を伝え、対応可能か相談してください。
候補となる絵師を比較するときのポイントについては、「絵師の選び方|依頼で失敗しない比較ポイントを初心者向けに解説」でも解説しています。
二次創作同人誌の表紙を依頼するときの注意点
二次創作同人誌では、原作やキャラクターなど第三者が権利を持つ作品を利用することになるため、一次創作とは別の確認が必要です。
権利者の二次創作ガイドラインを確認する
まず、対象作品の公式サイトなどで、二次創作に関するガイドラインや利用条件が公開されていないか確認します。
二次創作に関する条件は作品や権利者によって異なるため、他作品のルールをそのまま当てはめることはできません。
また、二次創作ガイドラインが見つからない場合も、「禁止されていないから自由に利用できる」とは判断しないようにしましょう。権利者が公開している案内や利用条件などを確認してください。
第三者への有償依頼について確認する
二次創作や同人活動に一定の条件が示されていても、その内容だけから第三者への有償依頼について一律に判断できるとは限りません。
公式ガイドラインや利用条件に該当する記載がある場合は、その内容を確認してください。不明な場合は、権利者が案内している問い合わせ方法などがあれば、必要に応じて確認を検討しましょう。
有料頒布の条件を確認する
同人誌を有料で頒布する予定なら、二次創作物の販売・頒布について条件が設けられていないかも確認します。
頒布方法や規模などについてルールが定められている場合は、その条件に従ってください。
絵師側の受付条件も確認する
権利者側の条件とは別に、絵師自身が二次創作案件について受付方針を設けている場合があります。
依頼前に受付条件を確認し、作品名や利用用途を伝えたうえで相談しましょう。
成人向け作品の場合は事前に伝える
成人向け作品の表紙を依頼する場合は、成人向け作品に使用することを依頼前に伝え、相手が該当する案件を受け付けているか確認してください。
また、作品・イベント・印刷所・通販サービスなどで条件が設けられている場合があるため、利用する各サービスの最新ルールも確認しましょう。
同人誌表紙の著作権・利用条件で確認すること
料金を払っただけで著作権が移るわけではない
絵師へ制作料金を支払っただけで、完成したイラストの著作権が当然に依頼者へ移るわけではありません。
著作権を譲渡することと、同人誌の表紙など決められた用途で利用する許諾を受けることは別です。
同人誌でどのように利用したいのかを伝え、依頼先の条件や合意内容を確認してください。
同人誌への印刷・頒布に使えるか確認する
依頼時には「同人誌の表紙として印刷し、イベントや通販などで頒布する予定」と、具体的な利用方法を伝えましょう。
利用条件や追加料金の有無は依頼先によって異なります。
SNS告知・通販ページにも使う場合は伝える
完成した表紙をSNSの告知画像、通販ページ、イベントのお品書きなどでも利用したい場合は、その予定も確認しておきましょう。
加工・文字入れ・トリミングを確認する
表紙デザインでは、イラストの上にタイトルや著者名を重ねるほか、配置に合わせてイラストを拡大・縮小したり、一部をトリミングしたりする場合があります。
文化庁の著作権契約マニュアルでは、イラストのサイズ変更、色調の変更、縦横比の変更、一部切除などについても、著作者人格権の一つである同一性保持権の問題が生じる可能性があると説明されています。
そのため、表紙デザインや告知画像などで予定している加工がある場合は、依頼時に具体的な内容を伝え、どの範囲まで認められるか確認しておきましょう。
クレジット・実績公開を確認する
絵師名をどこに掲載するか、どの名称・アカウント名で表記するかを確認しましょう。
また、絵師が完成した表紙をSNSやポートフォリオで実績として公開する場合があります。
イベントでの告知解禁日や新刊発表前に表紙を公開されたくない場合は、実績公開の可否だけでなく、公開できる時期も相談しておくと安心です。
著作権、商用利用、二次利用については、「イラスト依頼の著作権は誰のもの?商用利用・二次利用・著作権譲渡を解説」で詳しく解説しています。
同人誌の表紙イラストを依頼する流れ
一般的には、次のような流れで進めます。
- 本の内容と頒布予定を決める
- 印刷所・本の仕様を決める
- テンプレート・入稿締切を確認する
- 表紙制作をどこまで依頼するか決める
- 依頼したい絵師を探す
- 受付条件・料金・利用条件を確認する
- 作品・キャラクター資料などをまとめる
- 依頼内容を伝えて相談・見積もりをする
- 制作内容・料金・納期などを決める
- 依頼先の方法に従って支払いをする
- 必要に応じてラフや方向性を確認する
- 制作してもらう
- 完成データを確認して納品を受ける
- 必要に応じてタイトル・表紙デザインを仕上げる
- 入稿データを確認する
- 印刷所へ入稿する
料金や制作条件を確認するための見積もりについては、「イラスト依頼の見積もり方法|頼み方・必要項目・確認ポイントを解説」も参考にしてください。
支払いのタイミング、ラフ確認、修正などの流れは依頼サービスや絵師によって異なります。依頼先が案内している方法を優先してください。
同人誌表紙の依頼でよくある疑問
印刷所を決める前に表紙を依頼できますか?
相談できる場合はありますが、印刷所や本の仕様が決まっていないと、必要なサイズや背幅などを確定できないことがあります。
できるだけ印刷所と本の仕様を決め、必要なテンプレートなどを確認してから依頼すると進めやすくなります。
表紙のタイトル文字も入れてもらえますか?
絵師によって異なります。
イラストのみ、簡単な文字入れまで、ロゴ制作や表紙デザインまでなど、対応範囲は異なるため事前に確認してください。
背表紙はいつ決めますか?
本のページ数や用紙など、背幅に関係する仕様が決まってから、利用予定の印刷所のテンプレートや計算方法で確認します。
表紙制作を開始する時点で背幅が確定しない場合は、その後の調整方法を絵師やデザイナーと相談しましょう。
二次創作同人誌の表紙を有償依頼できますか?
一律には判断できません。
対象作品の権利者が公開している二次創作ガイドラインや利用条件を確認し、第三者への有償依頼や有料頒布に関する条件がないか確認してください。
ガイドラインに記載がない場合も、「禁止されていないから問題ない」とは判断せず、権利者の案内を確認しましょう。
イベント直前でも依頼できますか?
対応できるかは絵師の受付状況や依頼内容、印刷所の締切などによって異なります。
短納期対応を前提にせず、イベント日ではなく入稿締切とその後の作業工程から逆算して、できるだけ余裕を持って相談しましょう。
SKIMAを初めて利用する方へ
SKIMAでは、同人誌の表紙などに使用するイラストや、表紙デザインを制作しているクリエイターを探せます。
2026年8月時点では、招待リンクから新規登録し、所定の条件を満たすと、3,000円以上の取引・商品で使える1,000円分クーポンなどの招待特典が案内されています。
1,000円クーポンを受け取ってSKIMAで同人誌表紙を依頼する
※招待特典の内容や利用条件は変更される場合があります。登録・利用時にSKIMA公式サイトで最新の条件をご確認ください。
※この招待リンクを経由して所定の条件を満たした場合、絵師ナビにもSKIMA内の紹介特典が付与されます。絵師ナビはSKIMAの公式運営・関係者ではありません。
まとめ|印刷仕様と入稿締切を確認してから同人誌表紙を依頼しよう
同人誌の表紙イラストを依頼するときは、絵柄や構図だけでなく、完成したイラストをどのように本へ仕上げるのかまで考えておくことが重要です。
今回の公開商品調査では、表紙デザインのみ50件の価格を安い順に並べたとき中央に位置する金額は8,000円で、半数は6,000〜10,000円の範囲でした。一方、表紙イラストやイラスト+デザインでは制作内容による価格差が大きいため、公開価格だけで予算を決めないことが大切です。
- 表紙イラスト・文字入れ・デザインなど、依頼する範囲を決める
- 本のサイズや利用予定の印刷所を確認する
- テンプレート・塗り足し・背幅などの仕様を確認する
- 入稿締切から逆算して納期を決める
- 二次創作の場合は対象作品のガイドラインなどを確認する
- 印刷・頒布・告知など予定する利用方法を伝える
- 必要な制作内容に対応できる絵師やデザイナーを選ぶ
まずは「どんな本を、どの印刷所で、いつ頒布する予定なのか」と、「イラストだけ必要なのか、表紙デザインや入稿データまで必要なのか」を整理するところから始めてみてください。


